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要介護1とは?認定基準や利用できる介護保険サービスを解説
「要介護2は要支援と何が違う?」
「要介護2だったらどんなサービスが利用できるの?」
など、要介護状態に関して疑問を持っている方もいらっしゃると思います。
要介護2は7段階に分かれている要介護度のなかでちょうど中間に位置する区分です。しかし、「要介護2」がどのような状態なのか、具体的にイメージできない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、要介護2の状態を詳しくご紹介するとともに、要介護1や要介護3との違いや、要介護2の方が利用できる介護保険サービスについて解説します。
目次
要介護2は、7段階に分かれている要介護度のなかで4番目に介護度が低い区分です。 厚生労働省の「要介護認定等基準時間の分類」によれば、要介護2は「要介護認定等基準時間が50分以上70分未満またはこれに相当する状態」とされています。 要介護1~5のなかでは2番目に低い段階で、日常生活上の基本的な動作(食事、入浴、歩行など)がスムーズにできないことが多く、一人暮らしを続けることがやや不安な状態です。手段的日常生活動作(電話、食事の支度、金銭管理など)が難しくなり、人によっては認知症の症状がでるなど、日常生活上のトラブルに発展する恐れがあります。
要介護2は要介護1よりも重く、日常生活において部分的な介助がないと生活が難しい状態です。ここでは、それぞれにどのような違いがあるのか説明します。
要介護1は、要介護1~5のなかでは最も軽度です。人によって状態は異なりますが、自宅での入浴、トイレ、家事などの基本動作は一人でできることが多いでしょう。要介護2の方もある程度の動作はできる場合もありますが、要介護1の方と比べると運動能力や認知機能の低下が見られることなどから、一部介助が必要な状態だといえます。
要介護1について、詳しくはこちらをご覧ください。
要介護3は、要介護2よりも心身機能が低下している状態です。ほとんどの日常生活動作(食事、入浴、排泄など)を一人でスムーズに行うことができず、要介護2の方以上に介護が必要な状態です。人によって状態は異なりますが、多くの方が自宅で過ごすことが難しくなり、施設への入居を勧められることが多くなります。
要介護3について、詳しくはこちらをご覧ください。
要介護2の方が利用できる介護保険サービスには、どのようなものがあるのでしょうか。以下、サービスの種類ごとに整理して詳しく解説します。
自宅で生活するご利用者のもとへホームヘルパーが訪問し、食事・入浴・排泄などの身体介助のサービスを提供します。また、生活援助として、自宅の掃除、ゴミ出し、衣類の洗濯などのサービスを利用することもできます。 訪問介護について、詳しくはこちらをご覧ください。
ご利用者の自宅にホームヘルパーや看護師などが訪問し、入浴のサポートを行ってくれるサービスです。移動可能な浴槽を持ち込み対応してくれます。
看護師がご利用者の自宅を訪問し、医療的ケアや診察の補助を行うサービスです。自宅での生活で医療的なケアが必要な方が利用することが多いです。 訪問看護について、詳しくはこちらをご覧ください。
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士など、リハビリの専門員がご利用者の自宅を訪問し、日常生活の自立支援や、心身の機能の維持・回復といったリハビリテーションのサービスを提供します。
ご利用者が通所介護(デイサービス)事業所などに通う、日帰りの介護サービスです。受けられるサービス内容としては、食事や入浴、レクリエーションなどがあります。原則として、デイサービスへの送迎は事業者が準備した車で行われます。 通所介護(デイサービス)について、詳しくはこちらをご覧ください。
介護老人保健施設、病院、診療所などに通い、理学療法、作業療法、その他の必要なリハビリテーションを受けられるサービスです。通称「デイケアサービス」と呼ばれ、できる限り要介護状態になることを防ぐこと、あるいは状態がそれ以上悪化しないようにすることを目的として提供されています。
認知症のある方が通所介護(デイサービス)事業所などに通い、入浴、排泄、食事の支援、生活などに関する相談、健康状態の確認、機能訓練など、心身機能の維持や向上を目指すことを目的とした介護保険サービスです。 認知症対応型通所介護(認知症デイサービス)について、詳しくはこちらをご覧ください。
数日~最長30日間までの短期間、福祉施設に入居できるサービスです。入居した施設では、健康状態に合わせた食事の提供や入浴、排泄などの介護を受けられ、期間が終わったら自宅へと戻ります。 短期入所生活介護(ショートステイ)について、詳しくはこちらをご覧ください。
日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護が一体的に、または密接に連携しながら、定期巡回やナースコールによる随時通報へ対応を行うサービスです。定額で利用でき、必要な時にサービスを受けられます。
SOMPOケアが提供する在宅サービスはこちらをご覧ください。
主に介護を必要とする方が入居し、食事や入浴、排泄の介助や生活上の支援を受けて日常を送ることのできる施設です。24時間体制で介護スタッフが常駐しています。 介護付有料老人ホーム(介護付きホーム)について、詳しくはこちらをご覧ください。
自立〜軽度の要介護者が入居し、食事の提供や掃除、洗濯など生活上のサポートを受けられる施設です。必要に応じて外部の介護サービスが利用でき、ご利用者の要望に応じて自由にサービスを組み合わせることができます。 住宅型有料老人ホームについて、詳しくはこちらをご覧ください。
高齢者住まい法で定められた施設で、高齢者の単身・夫婦世帯が入居できる賃貸住宅を指します。段差解消・手すりが設置され、一人当たりの床面積が25平方メートル以上など、入居する高齢者が安心して暮らせるように設計されており、ケアの専門家による生活相談サービスなども受けられます。 サービス付き高齢者向け住宅について、詳しくはこちらをご覧ください。
要介護1以上の方が対象の施設です。食事や入浴、排泄などの介護サービスに加えて、自宅復帰のための歩行訓練といったリハビリテーションのサービスを受けられます。病院に併設されていることが多く、医療体制が整っている点に特徴があります。
専門的な治療が長期で必要となる方や、介護が常時必要な方が入居する施設です。医療的ケアやリハビリテーション、日常生活上の介護が受けられます。特別養護老人ホームや介護老人保健施設に比べると、より医療環境が整っています。
ご家族からの援助が受けられないといった理由などにより、自宅において生活することが困難な方が入居する施設です。栄養バランスに配慮した食事や入浴、排泄などの身体介護が提供されると同時に、掃除や洗濯などの家事援助、その他日常生活上の支援が受けられます。 ケアハウスについて、詳しくはこちらをご覧ください。
要介護2の方も入居できる、小規模で家庭的な雰囲気の施設です。他の入居者や介護職員と関わりを持ちながら共同生活を送ることで、認知症の進行防止に繋がると期待されます。ただし、認知症と診断された方、また施設と同じ市区町村に住民票がある方でなければ入居することができません。
日常生活における自立支援や介護者の負担軽減を図るためのサービスです。要介護2の方は、次の福祉用具をレンタルすることができます。
なお、上記1~4と9、10は原則として要介護2以上の方が対象となっており、判定された要介護度によってレンタルできる福祉用具が異なります。
福祉用具のうち、その用途が貸与に適していないもの(腰掛便座、入浴補助用具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具の部分など)を購入することができます。 福祉用具について、詳しくはこちらをご覧ください。
介護保険では、要介護区分に応じて月ごとに支給限度額が定められています。支給限度額とは、介護保険から給付される1ヵ月あたりの上限額のことです。厚生労働省の示す居宅サービスの支給限度額は次のとおりです。
要介護区分 | 支給限度額 |
---|---|
要支援1 | 50,320円 |
要支援2 | 105,310円 |
要介護1 | 167,650円 |
要介護2 | 197,050円 |
要介護3 | 270,480円 |
要介護4 | 309,380円 |
要介護5 | 362,170円 |
要介護2は197,050円/月となっています。要介護度が上がるほど、サービス利用の頻度が増えるため、より多くの介護サービスを利用できるように、要介護度が上がるにつれて利用限度額が増える仕組みになっています。 支給限度額の範囲内で介護サービスを利用すれば利用者負担は1割〜3割で済みます。しかし、限度額を超えてサービスを利用した場合は、超過分はご利用者の全額自己負担となるため注意が必要です。
要介護2の方で、ご本人が日常生活上の動作に不安があったとしても、ご家族が近くに住んでいて頻繁にサポートが受けられる環境であれば、一人暮らしを続けることは可能な方もいます。 ただし、要介護2の方の多くは、身体機能や認知機能の低下によって日常生活動作(食事、入浴、排泄など)に不安があります。一人暮らしをしているなかで、室内で転倒したり、脳梗塞の疾患によって意識を失ったりするなどの不慮の事故に遭った場合には、発見が遅れて障がいが重症化したり、孤独死に繋がったりする恐れがあります。介護保険のサービスを利用せず、ご家族からのサポートも得られない場合は、一人暮らしを続けることは難しいと考えていいでしょう。 自宅での生活や一人暮らしを続けたいのであれば、ご家族による十分なサポートを受けることはもちろん、訪問・通所系の介護サービスを利用しながら生活を続けていくことが望まれます。
要介護2は、要介護1~5のなかでは2番目に軽度ですが、一人で安全な生活を送るうえでは不安の残る段階だといえます。加齢にともなう心身機能の低下、認知症の進行などのリスクがあることから、できる限り要介護度を上げないよう、適度に介護保険のサービスを利用しつつ社会参加の機会を作ることで、心身機能・健康状態の維持に努めましょう。 一方、要介護2の方でも入居できる施設はあります。自宅での生活に不安がある方や、早めに要介護状態に備えたい方は、要介護2以上の方が入居できる施設に関して情報を集めることから始めましょう。 SOMPOケアの提供するホーム・サービスには、要介護2の方に対応したものが多数あります。ぜひご検討ください。
現役の大学教員として社会福祉士・介護福祉士の養成教育に携わる。福祉人材の教育は約20年のキャリアがあり、医療・介護・福祉だけでなく、年金や健康保険などの社会保障にも精通している。大学で教鞭を取る傍ら、福祉系専門学校の非常勤講師を務め、福祉系の国家試験応援ブログで情報を発信するなど、多方面で活躍中。
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