軽度認知障害(MCI)は認知症になる前兆?状態や症状・診断方法について
認知症予備軍ともいわれる「軽度認知障害(MCI)」の症状や特徴などを説明するとともに、その診断基準や対処法を解説します。最後まで読めば、軽度認知障害(MCI)に関する知識が深まり、適切な対応や予防ができるようになります。
認知症にはさまざまな種類がありますが、なかでも発症率が高いのが「アルツハイマー型認知症」です。アルツハイマー型認知症は、高齢期だけでなく壮年期に発症することもあります。
ご家族や自分自身がアルツハイマー型認知症になったときに備え、その症状にいち早く気付き、適切な対応ができるようになるために、原因や主な症状に関して理解を深めておきましょう。
この記事では、アルツハイマー型認知症の発症原因や主な症状、ご家族をはじめ介護者の適切な対応について解説します。
※この記事内での認知症予防とは、認知機能低下防止および認知症のリスク低減に有効と一般的に言われている対策の事例紹介や、認知症の早期発見・早期治療、進行抑制までを含んでいます。
目次
アルツハイマー型認知症は、いくつかある認知症の種類の一つです。厚生労働省の示す「認知症施策の総合的な推進について(参考資料)」によると、認知症罹患者の約70%を占めます。発症すると、記憶障害、判断能力の低下、見当識障害などの症状が現れます。
現段階では、アルツハイマー型認知症を完治させる治療法は見つかっていません。一方で、発症を防ぐための予防法や、進行を緩やかにするための薬はあります。可能な限りこれまでどおりの暮らしを続けるためには、アルツハイマー型認知症を早期発見し、適切な治療を行うことが大切です。
物忘れは加齢にともなう脳の機能の衰えであり、程度の差こそあれ誰にも起こり得る老化の一つです。物をどこかに置き忘れたり、人の名前が出てこなかったりすることはあっても、通常は日常生活に大きな支障はきたしません。
一方、認知症は認知機能の低下による記憶障害であり、最近の出来事を覚えられない、同じことを何度も繰り返す、時間や場所がわからなくなるなど、日常生活に支障をきたす場合があります。
厚生労働省の研究によると、我が国における認知症高齢者の数は2025年に472万人となり、団塊ジュニアが65歳以上になる2040年には584万人に達すると推計されています。また、MCI(軽度認知障害。正常と認知症の中間の状態)患者数は、2025年には564万人、2040年には612万人と推計されています。
国は、増加する高齢者、認知症高齢者への対策のため、2000年に介護保険制度をスタートさせ、社会全体で高齢者介護を支える仕組みを導入しました。その後、実情に合わせて何度か改正を行っています。
また、2005年には認知症サポーター制度を開始。2015年には新オレンジプランを策定するなど、社会において認知症に対する理解が深まるような施策を導入してきました。加えて、2019年には認知症施策推進大綱を発表し、「認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指す」という基本的考え方が提示されました。
しかし、地方における過疎化と都市部の核家族化、地域での人間関係の希薄化がより一層進むなか、今後は一人暮らしの認知症高齢者を地域でどのように支えていくのかが大きな課題となります。
出典: 「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」九州大学大学院医学研究院 衛生・公衆衛生学分野教授二宮利治
アルツハイマー型認知症が出現するきっかけは、アミロイドβやタウタンパクというたんぱく質が脳に異常に溜まることです。脳に溜まったたんぱく質が脳神経の変性を引き起こすことで、脳のなかでも記憶に関わる海馬という器官から萎縮が始まり、徐々に脳全体にひろがっていきます。しかし、なぜ脳にたんぱく質が溜まってしまうのか、現段階でははっきりとした原因は解明されていません。
以下、アルツハイマー型認知症の危険因子ではないかといわれている原因についてご紹介します。
認知症は男性も女性も歳を取れば取るほど発症リスクが高くなり、85~89歳では有病率が約41.4%となっています。
出典: 「認知症年齢別有病率の推移等について」首相官邸ホームページ
アルツハイマー型認知症のなかの「家族性アルツハイマー型認知症」では、親がこれを発症すると50%の確率で子も発症するとの報告があります。同疾患は全体の1%以下ですが、遺伝が無関係ではないことを示唆しています。
出典: 「アルツハイマー病と遺伝について」公益財団法人認知症予防財団
糖尿病や高血圧の既往歴がある人は、高齢になって認知症を発症するリスクが高いといわれています。また、同疾患によって動脈硬化が進み、脳梗塞などの脳血管疾患を発症すれば、脳血管性認知症だけでなく、アルツハイマー型認知症の発症リスクを高めることになります。
参考: 「糖尿病や高血圧で認知症になりやすいでしょうか?」国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
喫煙も認知症の発症と関連している可能性があると指摘されています。喫煙量が多く、期間が長いほど、言葉の流暢性や記憶などの認知機能が低下する可能性があります。
また、適度な飲酒には認知症の予防効果があるとの報告がありますが、多量の飲酒は逆に脳を萎縮させ、認知症の危険性が高くなるといわれています。MCIの方は少ないアルコール量でも認知症の危険性が高くなるとの報告があるため、注意が必要です。
参考: 「あたまとからだを元気にするMCIハンドブック」国立研究開発法人⦆国立長寿医療研究センター
ただし、ここまで紹介した原因はあくまでも可能性です。明確な原因は解明されていないため、断言はできません。あくまでも一例として参考にしてください。
アルツハイマー型認知症の主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
記憶障害とは、新しいことを覚えられない、覚えたことをすぐに忘れてしまう、過去の体験を忘れてしまうなどの症状です。
年をとると誰でも物忘れが多くなりますが、加齢による記憶障害と、認知症の症状による記憶障害は違います。加齢の場合は、出来事の一部分を忘れてしまうことが多く、例えば、朝ごはんに何を食べたか思い出せなくなることがあります。一方、認知症の場合は、出来事の全体を忘れてしまい、朝ごはんを食べたこと自体を忘れてしまうのです。
また、加齢による記憶障害は、それほど日常生活に支障をきたすことはありません。しかし、認知症による記憶障害は、鍋を火にかけたことを忘れたり、家への帰り道で迷子になったりと、進行が進むと日常生活に支障をきたす場合があります。
実行機能障害とは、計画を立てて段取り良く物事を進めることができなくなる症状です。
私たち人間は、日常生活での動作(例:調理や排泄など)のなかで、一連の動きや順番を計画し実行していますが、実行機能障害が起きると段取り良く行動できなくなったり、動作が途中で止まってしまったりします。認知症の典型的な症状の一つです。
アルツハイマー型認知症になると、判断能力が低下してしまいます。判断能力が低下することによって、自分自身の状況に応じた適切な行動が取れなくなってしまいます。
例えば、テレビやエアコンなど使い慣れた家電の操作がわからなくなったり、銀行でお金の引き出しや手続きの仕方を間違えたり、車の運転でミスが多くなったりしてしまうのです。説明を聞いても正しく理解するのが難しくなり、見ているテレビの内容もわからなくなってしまうことがあります。
見当識とは、日付や時刻、状況、周囲の人物などを総合的に判断し、自分の置かれている状況を理解する能力のことです。アルツハイマー型認知症では、見当識障害の症状も見られ、生活に支障をきたすことが多いです。具体的には、今の時間がわからなくなる、今いる場所がわからなくなる、今の季節がわからなくなるなどの症状があります。
また、記憶が残っている昔の話を、今起きていることのように話すこともあります。認知症を発症する前の若い頃の自分のままだと思ってしまうこともあり、長年一緒に暮らしていたご家族を見ても、誰だかわからなくなることもあるのです。
アルツハイマー型認知症では、記憶障害や判断能力の低下の他にも、周辺症状という症状が見られることがあります。周辺症状は行動・心理症状やBPSDとも呼ばれ、認知症になった人の性格や環境、周囲の人との関わり方などの相互作用によって現れる症状のことを指します。
具体的には、慣れているはずの道に迷ったり、毎日決まった時間に決まった場所に行く常同行動を繰り返したりする行動症状があります。また、自発性や意欲が一気に低下する無気力や、物が見つからないときに物を盗まれたと思い込んでしまう、などの心理症状が見られることもよくあります。
アルツハイマー型認知症の各症状は、どのような段階で出現するのでしょうか。初期症状~中期症状~後期症状に分けて解説します。
アルツハイマー型認知症の初期には、物忘れが多くなる、日時が曖昧になる、言葉が出なくなる、同じことを何度も尋ねるなどの症状が出ます。今日の日付、朝ご飯のメニューなど、最近の記憶に障がいが見られる一方、自分の誕生日、子どもの名前、出身地など、遠い過去の出来事は思い出せる場合が多いです。
中期症状では、初期症状で見られた症状のほかに、食事や移動、入浴やトイレなどが一人でできなくなる、計算ができない、失語、失認、失行、うまく言葉が伝えられない、他人の言葉を理解することが難しくなる、人や場所がわからなくなる、今までできていた簡単な行為ができなくなるなどの症状が出ます。
「今日は天気が良いですね」「そうですね」といった簡単な会話は成り立ちますが、お金の計算をともなう会話や、複雑な人間関係を考慮した会話はできなくなります。
後期症状では、関節拘縮(かんせつこうしゅく:関節を伸ばしたり曲げたりができなくなること)が見られるなど身体機能が著しく低下して、人によっては寝たきりとなり、日常生活の多くの場面で介助が必要になります。また、認知機能も著しく低下するため、子どもや孫の顔がわからなくなるなど、さまざまな生活場面で支障をきたすようになります。
そのうえ、言語をともなったコミュニケーションが難しく、発語はあっても意味が不明瞭であり、他人の言った言葉を理解することも難しくなります。
次に、アルツハイマー型認知症と他の認知症との違いを解説します。
軽度認知障害(MCI)とは、日常生活への影響があまりない程度の記憶障害や物忘れがある状態です。認知症とはいえないものの健康な状態ではなく、MCIの方の一定数が認知症になるとも指摘されており、経過の観察が必要です。
行き慣れている公園に足を運んだり、使い慣れているテレビのスイッチを入れるなどは問題なくできますが、行ったことのない場所に行ったり、使ったことのない調理器具などを使うのが難しくなります。日常生活は大きな支障なく送ることはできますが、調理や掃除などを段取り良く進めることは難しくなります。
軽度認知障害(MCI)についてより詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
軽度認知障害(MCI)は認知症になる前兆?状態や症状・診断方法について
若年性認知症とは65歳未満で発症する認知症を指し、全国に約3.6万人いるとされています。
出典: 「わが国の若年性認知症の有病率と有病者数」地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター
具体的な症状は高齢者が罹患する認知症と大差なく、認知機能の低下によって自立した日常生活を送ることが難しくなります。高齢期に発症する認知症とは異なり、特有の困難(就労に対する支援、経済的な支援など)があり、年齢に合わせた精神的・社会的な支援が求められます。
若年性認知症について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
若年性認知症とは?原因となる疾患や症状・検査方法について解説
脳血管性認知症は、脳の血管が詰まる脳梗塞や血管が破れる脳出血などによって神経細胞がダメージを受けて発症する認知症です。症状は脳梗塞や脳出血が出た位置によって異なりますが、多くの場合、発症初期にしびれ、めまいや疲れやすさ、頭が重いなどの症状が出ます。また、脳梗塞の後遺症などによっては身体に麻痺が出て、すくみ足などの歩行障害、尿失禁などが見られます。
脳血管性認知症について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
レビー小体型認知症は、実際には存在しない人や物が見える幻視、言葉が上手に話せなくなる失語、目の前に出された物が何かわからない視覚性失認などの症状が出ます。また、認知機能障害のほか、手足の震え、筋肉の硬直などのパーキンソン症状、寝ているときに大声を出したり暴れたりするレム睡眠行動障害などが現れます。
レビー小体型認知症について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
前頭側頭型認知症は若年性認知症の一つで、壮年期に発症します。アルツハイマー型認知症と比較すると進行のスピードが速く、人格変化や常同行動(目的なく同じ道を歩き続ける、同じ動作を繰り返すなど)などの特徴的な症状が出ます。現時点では脳の神経細胞に異常なたんぱく質が蓄積されることで発症するとされていますが、明確な原因はわかっておらず、根本的な治療方法はありません。
前頭側頭型認知症について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
認知症は早期発見・早期治療が重要です。しかし、認知症に罹患した場合、私たちはどのような病院、診療科を選び、検査を受けたら良いのでしょうか。以下、整理して説明します。
項目 | 内容 |
---|---|
セルフチェック | 東京都保健福祉局の「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」を使って、簡単なセルフチェックを行う。 |
かかりつけ医に相談する | かかりつけ医に相談し、発症した時期や具体的な症状を伝え、認知症の検査・診断を行っている医療機関を紹介してもらう。 |
もの忘れ外来、認知症外来を受診する | かかりつけ医に紹介してもらった医療機関を受診し、認知症の検査・診断をしてもらう。 |
認知症の検査方法 | いくつかの種類・方法を用いて検査し、その結果から医師が認知症かどうかを診断する。検査方法には、神経心理検査(長谷川式簡易知能評価スケール、MMSEなど)や画像検査(CT、MRIなど)がある。 |
診断結果を聞き、治療する | 検査結果を聞き、適切な治療を受ける。検査の種類や範囲によって検査結果が出るのに時間がかかる。 |
認知症と診断されるかもしれないという不安から、ご本人が検査を受けることをためらうこともあります。その場合は、ご本人が信頼している関係者やかかりつけ医、ケアマネジャーなどの専門職の方から検査の必要性を説明してもらうなどの工夫をしてみましょう。
認知症を疑うような症状がある場合には、少しでも進行を遅らせるため、早めに検査・治療を受けることが大切です。
アルツハイマー型認知症には、進行を完全に止める方法や根本的な治療方法はありません。しかし、認知機能障害の進行の程度を遅らせる薬や、日常生活機能の改善や生活の質を高めるための運動、トレーニングはあります。以下、その例をご紹介します。
アルツハイマー型認知症の原因に働きかけ病気の進行自体を抑制する薬には、代表的なアリセプト錠を始め、いくつかあります。
なかでも注目したいのは、2023年9月に厚生労働省が新薬として承認したレカネマブです。アルツハイマー型認知症が軽度である方や軽度認知機能障害(MCI)の方を対象とした薬で、アルツハイマー病の原因物質を取り除き、進行を遅らせる効果が期待されています。
この薬は、2週間に1度通院し約1時間かけて点滴で投与するものですが、投与の対象となるかどうかは、医療機関において神経心理検査やMRI検査などをもとに判断されます。まずはかかりつけ医に相談すると良いでしょう。
認知症に対する非薬物療法として代表的なものには以下の5つがあります。
方法 | 内容 |
---|---|
現実見当識訓練 | 名前、出身地、今いる場所、現在日時などの質問を繰り返して残存機能に働きかけ、認知症の進行を遅らせるための訓練 |
回想法 | 認知症のある方や高齢者が過去を振り返り、ご本人の会話を受容的、指示的、共感的に傾聴し、その人生を肯定することで心理的安定を図る |
運動療法 | 運動機能への働かけによって、ADLを改善させるだけでなく、認知症の予防や改善を図る |
音楽療法 | なじみのある音楽(例:昔の流行歌など)を聞いたり歌ったりすることで、不安の改善や心理的安定を図る |
バリデーション療法 | 現実とは異なる言動があっても、異常行動や問題行動としてとらえるのではなく、感情や感覚をもった意味のある行動と考え、個性として無条件に認めようとする |
参考: 「認知症に対する非薬物的療法とそのエビデンス」大沢 愛子、前島 伸一郎 日本老年医学会雑誌/57 巻 (2020) 1 号
ご家族がアルツハイマー型認知症になったとき、以下のような対応を心がけるようにしましょう。
アルツハイマー型認知症についての知識がないと、介護をしていて大変に感じることが多いです。また、対応の仕方が間違っていると、信頼関係が築けず、介護拒否という状況を招いてしまう可能性があります。
アルツハイマー型認知症についての理解を深めることで、ご本人の言動を否定せず受け入れ、安全に暮らすための環境を整えるといった的確な対応ができるようになります。また、外に出るときには誰が付き添うのか、介護施設への入居を検討すべきかなど、今後の介護計画も作成することができます。ご本人とご家族が少しでも快適に暮らしていけるよう、アルツハイマー型認知症への理解を深めましょう。
アルツハイマー型認知症を発症してしまうと、記憶力や判断力が低下してしまいます。しかし、羞恥心やプライドは今までどおり持ち続けています。
そのため、ご本人の言動に対して強く指摘したり、否定したりしないようにしましょう。受け入れたり、共感したりすることで、ご本人は安心感を得られます。
例えば、認知症のある方が「今日学校は?」と社会人になっているご家族へ尋ねたときに、「今日は休み」と答えるなど、間違いを否定せず自然と会話をすることが大切です。「もう学生じゃない」と否定しても、認知症のある方は理解ができず、余計に困惑してしまう可能性があります。強く指摘したり、否定したりせず、まずはご本人の発言をそのまま受け入れる姿勢が大切です。
アルツハイマー型認知症のある方が安心して生活できるように、生活習慣や環境を整えるようにしましょう。住環境を整備すると、ご本人もご家族もリラックスして過ごせるようになります。
住環境の整備は、安全性と慣れた環境を作ることが大切です。認知症のある方は、慣れ親しんだ環境が変化すると、戸惑いや不安を感じてしまいますので、住み慣れた環境を保ちつつ、安全性を確保していくようにしましょう。
具体的には、廊下に手すりやスロープを設置して安全性を確保しながら、愛着のある家具を残しつつ絵や花を飾るなど、ご本人の性格や趣味に合わせた工夫も取り入れるようにしましょう。
また、日頃から近所の人との交流を深め、名札やGPS付携帯電話をご本人に持ってもらうなど、万が一認知症のある方が外出先で迷子になっても知らせてもらえるような環境を整えることも大切です。
カレンダーやメモを活用して、大事な予定や約束、忘れてはならない事柄などをご本人が確認できる状態にしておくと良いです。
具体的には、ご本人がいつも座っている場所からよく見える位置に、カレンダーを置いたりメモを貼ったりします。特に忘れてはならないことや気をつけてほしいことは、大きな字で書いたり、色をつけたりして目立つようにしましょう。
例えば、玄関のドアの内側に大きなメモを貼っておくと、外出前に必ず目にすることができるので、忘れ物の防止に繋がります。
ご家族の方は、ここまでご紹介した対応方法を参考にして、認知症になったご本人の不安や困りごとを確認しながら、お一人おひとりに適したケアに努めるようにしましょう。SOMPOケアでは、認知症を抱える方やご家族に向けたお役立ちコンテンツ「あんなこんな」をご提供しています。認知症のある方への接し方やこれまで通りの生活を続けるために読んでいただきたいコンテンツを掲載しているので、ぜひご覧ください。
アルツハイマー型認知症は、現状では完治させる手段が見つかっておらず、発症すると、薬の投与によって進行を遅らせるという治療しかできません。そのため、アルツハイマー型認知症にならないように日頃から予防をしておくことがなによりも大切です。
アルツハイマー型認知症を予防する具体的な手段としては、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、禁煙、節酒、知的活動などが挙げられます。認知症は年齢を問わず発症する病気の一つです。これまでどおりの生活を続けるためにも、誰もが認知症の予防に繋がる習慣を取り入れることをおすすめします。
認知症は、早期発見によって早めの治療を開始すれば、進行を効果的に遅らせることに繋がり、自立した生活をより長く続けられる可能性があります。そのため、少しでも認知症の疑いがあれば、なるべく早く検査を受けるようにしましょう。
もし、ご家族が認知症と診断された場合には、ご自宅での生活を継続しながら必要に応じて訪問介護サービスやデイサービスを利用するほか、介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)やグループホームに入居しながらご本人らしい生活をおくることもできます。
例えば、SOMPOケアが運営する介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)やグループホームは、専門性が高く、認知症ケアの対応も可能なスタッフがお1人おひとりに適した介護サービスを提供し、認知症のある方でも安心してお過ごしいただける環境となっています。介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)のなかには短期間での利用が可能な施設もあり、施設での生活を体験してみることもできます。 自分たちだけで頑張ろうとせず、介護サービスを利用してみるのはいかがでしょうか。
SOMPOケアの介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)について詳しく知る
お電話から:0120-37-1865(フリーダイヤル)
福祉系専門学校の教員として社会福祉士・介護福祉士の養成教育に携わる。福祉人材の教育は約20年のキャリアがあり、医療・介護・福祉だけでなく、年金や医療保険などの社会保障にも精通している。専門学校で教鞭を取る傍ら、福祉系の国家試験応援ブログで情報を発信するなど、多方面で活躍中。
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若年性認知症は、ご本人を支えるご家族を含めたケアもとても重要です。この記事では、若年性認知症の原因疾患や主な症状、検査方法を解説するとともに、利用できる制度やサポートをご紹介します。
レビー小体型認知症について知りたい方に向けて、レビー小体型認知症の原因や症状、他の認知症との違いなどを解説します。最後まで読めば、レビー小体型認知症に関する知識が深まり、適切な対応や予防ができるようになります。
この記事では、認知症の一種である「脳血管性認知症」の症状や特徴などを説明するとともに、その原因や他の認知症との違い、予防法を解説します。最後まで読めば、脳血管性認知症に関する知識が深まり、適切な対応や予防ができるようになります。