デイサービス(通所介護)の費用はどれくらい?1回にかかる費用や軽減制度についても紹介

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デイサービスを利用したいとお考えの方のなかには、「費用がどれくらいかかるのかわからない」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

デイサービスには1回の利用あたり1,000円~2,000円の費用がかかりますが、要介護度や利用時間、サービスの内容によって金額が異なります。

この記事では、デイサービスの概要や種類を解説するとともに、具体的な金額や、費用を軽減する制度などをご紹介します。

1.デイサービス(通所介護)とは

デイサービスとは、ご利用者が通所介護(デイサービス)事業所などに通い、日帰りで介護や食事の提供を受けられるサービスです。事業所への送迎、昼食の提供、食事介助などの身体介護、入浴、アクティビティ、健康チェックなどのサービスが提供されます。

デイサービスは、ご利用者の心身機能の維持だけでなく、ご家族の介護負担の軽減を目的として利用することも可能です。

デイサービスについて詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。

2.デイサービス(通所介護)の利用1回あたりの費用はどれくらい?

デイサービスを利用する際の費用は、ご利用者の要介護度や利用する時間数、事業所の規模などによって異なりますが、自己負担額は1回あたり1,000円~2,000円となっています。
これは、介護保険が適用されるサービスの費用と、介護保険適用外の費用(おむつなどの日用品代、食事代など)を合計した金額です。

なお、デイサービスと似たサービスには、デイケアがあります。デイケアは通所リハビリテーションの通称で、運動機能の向上や改善、医療的ケアを受けることを目的としたサービスです。

デイサービスとデイケアの違いを表にまとめました。

デイサービス デイケア
目的 日常生活上の介護、心身機能の維持、他者との交流など リハビリテーションによる運動機能の向上や改善、医療的ケアなど
サービス内容 ・健康チェック
・食事の提供
・身体介護
・機能訓練
・余暇活動 など
・健康チェック
・リハビリテーション
・食事の提供
・身体介護
・余暇活動
・医療的ケア など
特徴 介護サービスを受けながら、他のご利用者や介護スタッフと交流し、社会性を保つことができる 専門的なリハビリテーションや医療的ケアを受け、身体機能、認知機能を維持させることが狙い
費用 1,000円~2,000円/回

※介護保険が適用されるサービス費用、介護保険適用外の費用(おむつなどの日用品代、食事代など)を含む
1,300円~2,500円/回

※介護保険が適用されるサービス費用、介護保険適用外の費用(おむつなどの日用品代、食事代など)を含む

※2025年1月時点

デイケア(通所リハビリテーション)については、下記記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。

3.介護保険適用と介護保険適用外について

デイサービスの費用には、介護保険が適用されるサービスの費用と介護保険が適用されない費用が含まれています。内訳は次のとおりです。

適用・適用外 内容 自己負担額 備考
適用 デイサービス利用料 350円~1,200円程度 自己負担額が1割負担の場合
各種加算 40円~200円程度 自己負担額が1割負担の場合
※加算の種類によって金額が異なる
不適用 食費 500円~1,000円程度 食事を提供するデイサービスでかかる費用
全額自己負担となる
日用品などの費用 100円~ おむつ、歯ブラシなど事業所の備品を利用した場合にかかる費用

※2025年1月時点

※利用料金は事業所によって異なる

介護保険サービスと介護保険外サービスの違いについては以下の記事もご覧ください。

4.介護保険が適用される場合の費用

介護保険を使ってデイサービスを利用すると、ご利用者は、国が定めた単位に基づいてその費用(自己負担分)を支払います。単位は以下の条件によって変動します。

  • 利用時間と要介護度
  • 事業所の規模
  • 利用する地域

以下、それぞれ詳しく見ていきましょう。

要介護度と利用時間別

デイサービスの利用料は、要介護区分と利用する時間の組み合わせによって決まります。以下は、後述する通常規模型の1回あたりの費用です。

3時間以上4時間未満 4時間以上5時間未満 5時間以上6時間未満 6時間以上7時間未満 7時間以上8時間未満 8時間以上9時間未満
要介護1 370円 388円 570円 584円 658円 669円
要介護2 423円 444円 673円 689円 777円 791円
要介護3 479円 502円 777円 796円 900円 915円
要介護4 533円 560円 880円 901円 1,023円 1,041円
要介護5 588円 617円 984円 1,008円 1,148円 1,168円

※2025年1月時点

※ご利用者の自己負担割合が1割の場合

事業所の規模別

デイサービスの利用料は、事業所の大きさや規模によっても違います。以下、事業所ごとの費用をご紹介します。

通常規模型

通常規模型とは、月平均のご利用者数が301人以上750人以内の事業所で、最も多いタイプの事業所です。1回あたりの費用は先ほどご紹介したとおりです。

地域密着型

地域密着型とは、介護保険制度における地域密着型サービスの一つで、デイサービスを利用する人の数は1日あたり18名以下と決められています。

地域住民のニーズに応じた介護や支援が期待できる小規模のデイサービスであり、顔なじみの関係のなかでサービスを利用できる点に特徴があります。1回あたりの費用は以下のとおりです。

3時間以上4時間未満 4時間以上5時間未満 5時間以上6時間未満 6時間以上7時間未満 7時間以上8時間未満 8時間以上9時間未満
要介護1 416円 436円 657円 678円 753円 783円
要介護2 478円 501円 776円 801円 890円 925円
要介護3 540円 566円 896円 925円 1,032円 1,072円
要介護4 600円 629円 1,013円 1,049円 1,172円 1,220円
要介護5 663円 695円 1,134円 1,172円 1,312円 1,365円

※2025年1月時点

※ご利用者の自己負担割合が1割の場合

大規模型(Ⅰ)

大規模型(Ⅰ)とは、月平均のご利用者数が751人~900人以内(1日あたり約35人~45人)のデイサービスです。

ご利用者やスタッフの数が多く、行われるレクリエーションや他のご利用者とのコミュニケーションが活発になります。社交的な方やにぎやかな場所が好きな方に向いているでしょう。費用は以下のとおりです。

3時間以上4時間未満 4時間以上5時間未満 5時間以上6時間未満 6時間以上7時間未満 7時間以上8時間未満 8時間以上9時間未満
要介護1 358円 376円 544円 564円 629円 647円
要介護2 409円 430円 643円 667円 744円 765円
要介護3 462円 486円 743円 770円 861円 885円
要介護4 513円 541円 840円 871円 980円 1,007円
要介護5 568円 597円 940円 974円 1,097円 1,127円

※2025年1月時点

※ご利用者の自己負担割合が1割の場合

大規模型(Ⅱ)

大規模型(Ⅱ)とは、月平均のご利用者数が901人以上(1日あたり約45人以上)のデイサービスです。

大規模型(Ⅰ)よりもご利用者やスタッフの数が多く、デイサービスのなかでは最大規模の事業所です。1回あたりの費用は以下のとおりです。

3時間以上4時間未満 4時間以上5時間未満 5時間以上6時間未満 6時間以上7時間未満 7時間以上8時間未満 8時間以上9時間未満
要介護1 345円 362円 525円 543円 607円 623円
要介護2 395円 414円 620円 641円 716円 737円
要介護3 446円 468円 715円 740円 830円 852円
要介護4 495円 521円 812円 839円 946円 970円
要介護5 549円 575円 907円 939円 1,059円 1,086円

※2025年1月時点

※ご利用者の自己負担割合が1割の場合

地域区分別

地域区分とは、地域ごとの人件費の差を調整するために設定された介護報酬上のルールです。地域区分は8区分、人件費割合は3区分に分けられており、これらを組み合わせて1単位あたりの単価を定めています。

項目 内容
地域区分 公務員の地域手当に準拠した設定を基本とし、1~7級地+その他の8区分に分けられる ただし、隣接地域とのバランスを考慮した特例があったり、介護報酬改定ごとに級地の見直しが行われたりする
人件費割合 介護サービスの種類ごとに3区分に分けられる
・人件費割合①(70%):訪問介護、訪問入浴介護など
・人件費割合②(55%):通所リハビリテーション、小規模多機能型居宅介護、ショートステイなど
・人件費割合③(45%):通所介護(デイサービス)、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など

※2025年1月時点

地域区分と人件費割合

デイサービスにおける1単位あたりの単価は、次のとおり定められています。

地域区分(上乗せ割合) 人件費割合③(45%)
1級地(20%) 10.90円
2級地(16%) 10.72円
3級地(15%) 10.68円
4級地(12%) 10.54円
5級地(10%) 10.45円
6級地(6%) 10.27円
7級地(3%) 10.14円
その他(0%) 10円

※2025年1月時点

地域区分の例

地域区分ごとの主要な地域を示します。なお、この表に掲げる名称は、令和6年4月1日においてそれらの名称を有する市、町、村または特別区の、同日における区域によって示された地域です。

級地 地域 ※一部
1級地 東京都:特別区
2級地 東京都:調布市、町田市、狛江市など
神奈川県:横浜市、川崎市
大阪府:大阪市
3級地 埼玉県:さいたま市
千葉県:千葉市、浦安市
東京都:八王子市、武蔵野市、三鷹市など
神奈川県:鎌倉市、厚木市
ほか
4級地 茨城県:牛久市
埼玉県:朝霞市、志木市、和光市
千葉県:船橋市、成田市、習志野市
東京都:立川市、昭島市、東大和市
ほか
5級地 茨城県:水戸市、日立市、龍ケ崎市など
埼玉県:川口市、草加市、戸田市など
千葉県:市川市、松戸市、佐倉市など
東京都:福生市、あきる野市、日の出町など
ほか
6級地 栃木県:宇都宮市、下野市、野木町
群馬県:高崎市
埼玉県:川越市、行田市、所沢市など
千葉県:木更津市、野田市、茂原市など
東京都:武蔵村山市、羽村市、瑞穂町など
神奈川県:秦野市、大磯町、二宮町など
ほか
7級地 茨城県:結城市、下妻市、常総市など
栃木県:栃木市、鹿沼市、日光市など
群馬県:前橋市、伊勢崎市、太田市など
埼玉県:熊谷市、深谷市、日高市など
千葉県:東金市、君津市、富津市など
神奈川県:山北町、箱根町
ほか
その他 1~7級地に該当しない地域

※2025年1月時点

サービス加算

サービス加算とは、デイサービスなどの事業所が特定のサービスを提供していたり、人員配置が一定の条件を満たしたりする場合に加算される費用のことです。以下、その一部をご紹介します。

内容 加算される単位 自己負担額(1割の場合)
サービス提供体制強化加算 (Ⅰ):1回につき22単位
(Ⅱ):1回につき18単位
(Ⅲ):1回につき6単位
(Ⅰ):1回につき22円
(Ⅱ):1回につき18円
(Ⅲ):1回につき6円
個別機能訓練加算 (Ⅰ)イ:1日につき56単位
(Ⅰ)ロ:1日につき76単位
(Ⅱ):1月につき20単位
(Ⅰ)イ:1回につき56円
(Ⅰ)ロ:1回につき76円
(Ⅱ):1月につき20円
科学的介護推進体制加算 1月につき40単位 1月につき40円
ADL維持等加算 (Ⅰ):1月につき30単位
(Ⅱ):1月につき60単位
(Ⅰ):1月につき30円
(Ⅱ):1月につき60円
認知症加算 1日につき60単位 1日につき60円
栄養改善加算 1回につき200単位(月2回を限度) 1回につき200円(月2回を限度)

※2025年1月時点

5.介護保険が適用されない場合の費用目安

前述のとおり、食費や日用品には介護保険が適用されないため、全額自己負担となります。該当するものとしては以下になります。

項目 内容
食事 事業所が自由に設定するが、およそ500円~1,500円程度
日用品 デイサービスの準備するおむつ、歯ブラシを利用した場合にかかる費用
数百円〜/都度
レクリエーション材料 レクリエーションに参加し、材料を使った場合にかかる費用
数百円〜/回

6.デイサービス(通所介護)の費用が高額になってしまった場合

デイサービスの費用が高額になってしまった場合、どのように対処したら良いのでしょうか。以下、自己負担を軽減する制度を解説します。

高額介護サービス費制度

高額介護サービス費とは、1ヵ月に支払ったご利用者負担の合計が負担限度額を超えた場合に超過分が払い戻される制度です。詳細は次のとおりです。

区分 負担の上限額(月額)
課税所得690万円(年収約1,160万円)以上 14万100円(世帯)
課税所得380万円(年収約770万円)
~課税所得690万円(年収約1,160万円)未満
9万3,000円(世帯)
市町村民税課税
~課税所得380万円(年収約770万円)未満
4万4,400円(世帯)
世帯の全員が市町村民税非課税 2万4,600円(世帯)
世帯の全員が市町村民税非課税で、前年の公的年金等収入金額+その他の合計所得金額の合計が80万円以下の方など 2万4,600円(世帯)
1万5,000円(個人)
生活保護を受給している方など 1万5,000円(世帯)

※2025年1月時点

高額医療・高額介護合算療養費制度

高額医療・高額介護合算療養費制度とは、医療保険と介護保険における自己負担の合計額が著しく高額で、自己負担限度額を超えた場合に、その負担額の一部が払い戻される制度です。

病気の治療と介護の両方を受けており、負担費用に悩んでいる方に適切な制度です。対象期間は8月1日~翌年7月で、この期間に支払った医療保険・介護保険の自己負担額が対象となります。

この制度を利用したい方や、自身が対象となるかどうか知りたい方は、担当のケアマネジャーや自治体の窓口、医療保険の保険者などに相談してみてください。

低所得者に対するご利用者負担軽減制度

社会福祉法人や市町村が運営する特別養護老人ホームやショートステイを利用した場合、または訪問介護やデイサービスなどの居宅サービスを利用した場合に、ご利用者の自己負担額を軽減する制度です。

軽減の条件は、市町村によって異なる場合がありますので注意してください。
例えば千葉市の場合、対象となるのは、以下の条件にすべてに当てはまる方、または生活保護を受給している方です。

  • 世帯の前年1年間の収入額が1人世帯で150万円以下、以下世帯員が1人増えるごとに50万円を加算した金額以下の方
  • 預貯金等の額が、1人世帯で350万円以下、以下世帯員が1人増えるごとに100万円を加算した額以下の方
  • 日常生活に供する資産以外に活用できる資産がないこと
  • 負担能力のある親族等に扶養されていないこと
  • 世帯全員が介護保険料を滞納していないこと

なお、すべてのサービスや事業者で利用できる制度ではありませんので、軽減の対象となる事業所やサービスを知りたい方は、担当のケアマネジャーや市町村の窓口に確認してください。

7.デイサービス(通所介護)にかかる費用をしっかりと把握しておこう!

ここまで、デイサービスの費用について説明してきましたが、デイサービスを利用する際は、かかる費用がどのくらいになるのか、しっかりと把握しておくことが大事です。介護保険が適用されるサービスや適用されないサービスについても理解したうえで、要介護度や利用時間、事業所規模などによって利用料金が変わってくることを知っておきましょう。

また、利用するサービスによっても金額は変わってきます。高額になった場合も想定し、この記事でご紹介した軽減・制度の利用を検討してみてください。

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監修・執筆

林 修造

福祉系専門学校の教員として社会福祉士・介護福祉士の養成教育に携わる。福祉人材の教育は約20年のキャリアがあり、医療・介護・福祉だけでなく、年金や医療保険などの社会保障にも精通している。専門学校で教鞭を取る傍ら、福祉系の国家試験応援ブログで情報を発信するなど、多方面で活躍中。

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