訪問リハビリテーションとは?概要や通所リハビリテーションとの違い、費用をご紹介
介護保険サービスの一種である訪問リハビリテーションですが、ご利用にあたって疑問をもつ方も多いのではないでしょうか。この記事では、訪問リハビリテーションの概要や費用、訪問マッサージ・通所リハビリテーションとの違いを解説します。
「認知症対応型通所介護(認知症デイサービス)」は、認知症の方へ専門的なケアを提供することを目的とした介護保険サービスです。通所介護という名の通り日帰りで受けられる介護保険サービスで、事業所のスタッフが自宅から事業所までの送迎も行います。
本記事では、認知症対応型通所介護のサービス内容、通常のデイサービスとの違い、事業所の選び方など、詳しくご紹介します。
目次
認知症対応型通所介護とは、認知症の方が可能な限り自宅で自立した生活を送れるように、機能訓練やレクリエーションを提供し、心身機能の維持・向上を目指す通所型の介護保険サービスです。
通常のデイサービスとの違いは、認知症の方に限定したデイサービスであることです。認知症といっても症状や身体の状態、進行スピードはさまざまなので、一人ひとりの状態に合わせて、機能訓練や日常生活の介護を行います。
また、認知症対応型通所介護の目的は、認知症の方の心身機能の維持向上だけではありません。自宅に引きこもりがちな認知症の方の社会的な孤立を解消することや、日々介護にあたっている家族の身体的・精神的な負担を軽減することも目的として各事業所は運営を行っています。
認知症対応型通所介護の主なサービス内容は、レクリエーションや個別機能訓練です。他にも、入浴や排泄、食事などの日常生活上の支援、口腔機能向上訓練などを提供しています。
参照:どんなサービスがあるの? – 認知症対応型通所介護|厚生労働省
時刻 | 内容 |
---|---|
9時30分 | ・送迎車に乗って自宅から施設に移動 ・看護師による健康チェック |
10時 | ・個別機能訓練 ・アクティビティ ・希望者は入浴 |
12時 | 昼食 |
13時30分 | ・個別機能訓練 ・レクリエーション ・ボランティア活動 ・アクティビティ |
15時 | 休憩(ティータイム) |
16時 | 帰宅 |
認知症対応型通所介護では、厚生労働省の定めにより利用者の定員は運営単位ごとに12名以下と決められています。そのため、介護スタッフ1人当たりに対する利用者の数が限られているため、一人ひとりに合った手厚いサポートを受けることができます。認知症の方のなかには、たくさんの人がいる場所や知らない人とのコミュニケーションが苦手な方もいるので、定員が決まっていたり、ほぼ毎回同じ利用者と過ごせたりすると安心して通えるかもしれません。
参照:認知症対応型通所介護とは | 公益財団法人長寿科学振興財団
参照:通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護の報酬・基準について|厚生労働省
認知症対応型通所介護では、認知症の方の介護を行う環境が整っており、通常のデイサービスよりも専門的なケアを提供できます。また、認知症対応型通所介護で働くスタッフは、ご利用者が認知症の方に限定されているため、認知症の方への対応に関して経験を積んでいます。特に、事業所の管理者は「認知症対応型サービス事業管理者研修」を修了していることが義務となっているので、認知症に関する高度で専門的な知識を持っています。
2006年の介護保険法改正に伴い、認知症対応型通所介護は地域密着型サービスのひとつとなりました。地域密着型サービスとは、認知症や介護が必要な高齢者が、住み慣れた地域で安心して生活を続けられるように提供されるサービスのことです。そのため、各事業所を利用できるのは、原則として事業所のある市区町村に住んでいる方のみとなっています。地域ごとの特性を活かし、少人数で一人ひとりの利用者に寄り添ったサービスを提供しています。
認知症対応型通所介護の事業所は、単独型、併設型、共有型の3種類があります。
単独型は、認知症の方のためのデイサービスを単独で運営する事業所を指します。多くの場合は、民家などを改装して使用しています。
併設型は、病院や老人ホームなどの施設に併設されている事業所のことです。
共有型は、グループホームなどの食堂や居間を借りて運営されている事業所を指します。
種類 | 特徴 |
---|---|
単独型 | 認知症の方のためのデイサービスを単独で運営する事業所 民家などを改装して使用 |
併設型 | 病院や特別養護老人ホームなどの施設に併設されている事業所 |
共有型 | グループホームなどの食堂や居間を使用して運営されている事業所 |
認知症対応型通所介護の対象者は、認知症と診断された要介護1以上の介護認定を受けた方です。また、対象者となるには事業所と同じ市町村に住んでいる必要があります。
なお、要支援1や要支援2の方でも、認知症の症状があきらかにみられる場合は、介護予防認知症対応型通所介護を利用することができます。
※介護予防認知症対応型通所介護とは…認知症状があり要支援の認定を受けた方が、できる限り要介護状態にならないよう、また状態が悪化しないことを目的としたサービスです。認知症対応型通所介護と同様に、事業所での食事の提供、排泄、入浴介助のほか、事業所内でのレクリエーション等を提供しています。
料金は、介護保険内のサービス費用に対する自己負担割合が1~3割となっており、所得が多いほど自己負担の割合が増えていきます。
また、食費やおむつ代は別途必要となる場合が多く、食費は1食あたり500円程度です。
具体的な料金は、事業所の種類、利用時間、介護度によって変わるため、事前に確認するとよいでしょう。
サービス提供時間が7時間以上8時間未満の場合
介護度 | 費用 |
---|---|
要支援1 | 856円 |
要支援2 | 956円 |
要介護1 | 989円 |
要介護2 | 1,097円 |
要介護3 | 1,204円 |
要介護4 | 1,312円 |
要介護5 | 1,420円 |
介護度 | 費用 |
---|---|
要支援1 | 769円 |
要支援2 | 859円 |
要介護1 | 889円 |
要介護2 | 984円 |
要介護3 | 1,081円 |
要介護4 | 1,177円 |
要介護5 | 1,272円 |
介護度 | 費用 |
---|---|
要支援1 | 482円 |
要支援2 | 510円 |
要介護1 | 520円 |
要介護2 | 539円 |
要介護3 | 557円 |
要介護4 | 575円 |
要介護5 | 595円 |
※サービス提供時間にはこの他にも、3時間以上4時間未満、4時間以上5時間未満、5時間以上6時間未満、6時間以上7時間未満、8時間以上9時間未満があります。また、送迎にかかる費用は含まれていますが、サービス提供時間には送迎の時間は含まれません。
認知症対応型通所介護の事業所を選ぶ際には、できるだけ事業所の見学をするようにしましょう。せっかく契約したのに想像していたものと違った、ということにならないためにも、事業所を事前に見ておくと安心です。見学に行った際には、以下のポイントを確認することをおすすめします。
最近では、インターネットを使って、各事業所の情報を集めることも容易になりました。しかし、実際に事業所に行ってみないとわからないことも多いため、足を運んでみましょう。
どの事業所を見学すればよいかわからない場合は、ケアマネジャーに相談してみてください。利用者ご本人のことをよく知っているケアマネジャーであれば、身体の状態や性格、家族の要望に合わせて最適な事業所を紹介してくれるでしょう。
認知症になると、介護を拒否されることもあります。理由はさまざまありますが、認知機能の低下によって知らない場所に連れて行かれてしまうことに恐怖を感じたり、そもそも介護を受ける意義を理解できていなかったりするのです。少しでも事業所の利用に興味を持っていただくには、まずはご本人が不安を感じていることや、迷っている理由を聞くことが大切です。そのうえで心地よく介護を受けられる環境を作っていきましょう。
事業所の利用を本人が迷われているときは、以下の方法を試してみることをおすすめします。
まずは家族の送迎から始めてみましょう。認知症対応型通所介護では送迎してもらうことも可能ですが、認知症の方にとっては知らない人に知らない所へ連れていかれてしまうと思い、不安になるかもしれません。家族が送迎することによって、その不安を軽減できる可能性があります。
また、最初は問題なく通っていたのに徐々にためらうようになった場合は、ご本人が信頼しているスタッフさんに対応してもらうことで不安が減り、通いやすくなる可能性があります。
他の対応策としては、事業所に行く楽しみを家族から伝えるようにしてみてください。大きなお風呂に入れる、おいしいご飯が食べられるなど、事業所に通うとよいことがあると伝えてみると、ご本人の気持ちも前向きになる可能性があります。
認知症になり自宅に引きこもりがちになると、症状の進行とともに徐々に気が滅入ってしまうこともあります。認知症対応型通所介護を利用することで、ご本人の心身機能の維持向上のほか、ご利用者同士やスタッフとの関わり合いによる気分転換にもつながります。日々介護にあたっている家族の身体的・精神的な負担の軽減にも大きな役割を担っています。
少しでも興味がある方は、一度事業所の見学に行ってみてはいかがでしょうか?
【経歴】
都内の大学病院勤務を経て、現在はアメリカ在住。育児のかたわら、医療関連の記事の執筆や監修、医療系動画監修、企業戦略のための医療系情報収集、医療系コンテンツ制作のほか、認知症の患者さんの診療経験を活かし、認知症に関する記事執筆や監修、最新の医学論文の翻訳なども行っています。認知症患者さんと介護者の方の負担が、少しでも軽くなるようにお役に立てればと考えています。
【保有資格】
医学博士、総合内科専門医、腎臓内科専門医、透析専門医
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