デイサービス(通所介護)とは?種類やサービス内容、費用について詳しく紹介

「デイサービスはどのような人が利用できる?」
「デイサービスに通うメリットを知りたい」
など、デイサービスに関して疑問や興味を持っている方もいるでしょう。

デイサービスとは、自宅などで生活している高齢者が、入浴や機能訓練、レクリエーションなどのために、日帰りで施設などに通って受けるサービスのことです。

今回は、デイサービスの概要、種類ごとの特徴、サービス内容などを解説します。最後まで読めば、デイサービスに通うべきかどうか判断できるようになるので、ぜひご覧ください。

目次

  1. デイサービス(通所介護)とは
  2. デイサービス(通所介護)の利用対象者
  3. デイサービス(通所介護)で働くスタッフの体制
  4. デイサービス(通所介護)のサービス内容
  5. デイサービス(通所介護)を利用する費用
  6. デイサービス(通所介護)のメリット
  7. デイサービス(通所介護)のデメリット
  8. デイサービス(通所介護)の1日の流れ
  9. デイサービス(通所介護)の利用がおすすめな方
  10. デイサービス(通所介護)の利用手続きの流れ
  11. 社会交流の場を持つならデイサービス(通所介護)が最適

1.デイサービス(通所介護)とは

デイサービスとは、通所介護(デイサービス)事業所などに通って日帰りで介護や機能訓練などを受けるサービスです。健康チェックや入浴、排泄の介助、昼食の提供、アクティビティといった日常生活に必要な支援が受けられます。 デイサービスは、ご利用者の心身機能の維持だけでなく、高齢者を支えるご家族の負担を軽減することを目的とした利用も可能です。ご家族がリフレッシュできる機会を作り、高齢者が長く在宅生活を送れるための環境を整えることも、デイサービスの大きな役割となっています。

デイサービス(通所介護)の種類

デイサービスは、目的や対象者によって、一般的なデイサービス、認知症対応型、リハビリ特化型、療養型の4つに分けられます。種類ごとの特徴を確認しておきましょう。

デイサービスの種類

一般的なデイサービス

一般的なデイサービスは、利用定員数によって以下の「大規模デイサービス」「通常規模デイサービス」「小規模デイサービス(地域密着型通所介護)」に分けられます。

事業所の規模 ご利用者数 特徴
大規模デイサービス(Ⅰ) 延べご利用者数:月750人超~900人以内 ※1日あたり約35~45人 ご利用者やスタッフの人数が多いためコミュニケーションが活発。社交的な人やにぎやかな場所が好きな方に向いている。
大規模デイサービス(Ⅱ) 延べご利用者数:月900人超 ※1日あたり約45人以上 (Ⅰ)と同じく、ご利用者やスタッフの人数が多いためコミュニケーションが活発。施設によっては設備が充実している。
通常規模デイサービス 延べご利用者数:月750人以内 ※1日あたり約35人以下 一般的なデイサービスで、事業所の数も一番多い。大規模デイサービスと比較すると落ち着いた環境。さまざまなデイサービスがあるため、ご利用者に合った事業所を選びやすくなっている。
小規模デイサービス(地域密着型通所介護) 延べご利用者数:月450人以内 ※1日あたり18人以下 民家などを活用したデイサービスも多く、ご利用者に合わせた細やかなケアが特徴。人見知りで大人数が苦手な方や、大人数では対応が難しい認知症のある方などに向いている。

認知症対応型デイサービス(認知症対応型通所介護)

認知症対応型デイサービスは、名前のとおり認知症のある方に特化したデイサービスです。要支援・要介護状態であり、認知症の診断を受けた方が利用できます。入浴や排泄、食事の介助など、日常生活に必要な支援や機能訓練などのサービスを提供しています。認知症専門のケアを行うため、「他のご利用者に迷惑をかけそう」「スタッフの手を煩わせるのではないか」という不安を抱える方でも安心して通うことができます。 可能な限り自宅での生活を続けられるよう、認知症の進行を防ぐことを目的としたレクリエーションや機能訓練が設けられていることも、認知症対応型デイサービスの大きな特徴です。 認知症対応型デイサービスについて、詳しくはこちらをご覧ください。

リハビリ特化型デイサービス

リハビリ特化型デイサービスは、デイサービスのなかでも歩行訓練や筋力トレーニングなどの機能訓練に重きを置いています。他のデイサービスとは違い、食事や入浴の提供は最小限、もしくは提供せずに機能訓練が中心になっていることが大きな特徴です。 利用時間は半日単位で、ほとんどの場合は短時間の利用となるため介護費用が少なくてすみます。身体的な介護が不要な方や、介護予防に取り組みたい方などがリハビリ特化型デイサービスを利用しています。

療養型デイサービス(療養型通所介護)

療養型デイサービスは、常時医療ケアを必要とする方が利用するデイサービスです。具体的には、次のような疾患を持つ方が利用できます。

  • 看護師による観察を必要とする難病
  • 認知症のある方
  • 脳血管疾患後遺症などの重度要介護者またはがん末期患者

医療ケアを必要とするご利用者は、外出機会を制限されることが多く、自宅にこもりがちです。ご利用者の孤立感を解消することや、心身機能の維持・回復、そしてご家族の負担軽減も療養型デイサービスの大きな目的となっています。 療養型デイサービスでは、食事や入浴などの日常生活に必要な支援のほか、生活機能訓練なども受けられます。医師や訪問看護ステーションなどと連携しているため、ご利用者もご家族も安心して利用できます。

デイケア(通所リハビリテーション)との違い

デイサービスと同様に、通いながら利用できる介護サービスとして、デイケア(通所リハビリテーション)があります。デイサービスとの違いは以下のとおりです。

デイサービスとデイケアの違い

デイサービス デイケア
目的 日常生活に必要な介護、心身機能の維持、他者との交流など リハビリテーションによる運動機能の向上や改善、医療的ケアなど
サービス内容
  • ・健康チェック
  • ・食事の提供
  • ・身体介護
  • ・機能訓練
  • ・余暇活動 など
  • ・健康チェック
  • ・リハビリテーション
  • ・食事の提供
  • ・身体介護
  • ・余暇活動
  • ・医療的ケア など
特徴 1日を通して介護サービスを受けながら、他者と交流しつつ、日々の生活を活性化させることができる。 医療的ケアや専門的なリハビリテーションを受け、心身機能を維持・向上させることができる。

デイケアは、医師の指示に基づいてリハビリ専門職によるリハビリテーションを受ける介護サービスです。そのため、デイケアを利用するには主治医の指示が必要となります。 デイケアは、介護老人保健施設や病院、診療所などに併設されて運営されており、常勤の医師が配置されていなければなりません。また、リハビリ専門職である理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のいずれか1人以上が配置されている必要があり、運動機能の向上や改善に特化したサービスを提供しています。 デイサービスのなかにはリハビリ特化型デイサービスがありますが、施設内に医師が常駐している訳ではありません。一方で、デイケアには医師が常駐しているため、医師の診察や健康管理など、デイサービス以上に医療ケアの体制が整っているといえます。 デイケアについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

2.デイサービス(通所介護)の利用対象者

デイサービスを利用できるのは、要支援1・2、要介護1~要介護5の認定を受けた高齢者です。要支援者と要介護者は同じデイサービスを利用できますが、要支援者の場合は介護保険サービスではなく地域支援事業(介護予防・日常生活支援総合事業)における通所型サービスを利用します。そのため、利用条件や利用回数などが要介護者と異なります。 具体的には、要支援1は原則週1回まで、要支援2は原則週2回までであれば、地域支援事業でのデイサービスを利用できます。この回数を上回って利用した場合は、超過分の費用は全額自己負担となります。なお、要支援の方が利用できるのは、都道府県の指定を受けた事業者によるサービスのみです。 以下、種類ごとの利用対象者を整理します。

種類 対象者
認知症対応型通所介護(認知症デイサービス) 要支援1・2、要介護1~5と判定され、認知症の診断を受けた方
リハビリ特化型通所介護 原則要介護1以上と判定された方。しかし、市区町村によっては介護予防通所介護として要支援1・2の方も利用可
療養型通所介護 要介護1以上と判定され、常に看護師による観察を必要とする難病、認知症、脳血管疾患後遺症などの重度要介護者またはがん末期患者の方

介護保険サービスを利用する流れについて、詳しくは下記のページもご覧ください。

3.デイサービス(通所介護)で働くスタッフの体制

厚生労働省が定めるデイサービスのスタッフ配置は以下のとおりです。

職種 基準
生活相談員 事業所ごとにサービス提供時間に応じて専従で1以上 (※生活相談員の勤務時間数としてサービス担当者会議、地域ケア会議等も含めることが可能。)
看護職員 単位ごとに専従で1以上 (※通所介護の提供時間帯を通じて専従する必要はなく、訪問看護ステーション等との連携も可能。)
介護職員 ① 単位ごとにサービス提供時間に応じて専従で次の数以上(常勤換算方式) ア 利用者の数が15人まで 1以上 イ 利用者の数が15人を超す場合 アの数に利用者の数が1増すごとに0.2を加えた数以上 ② 単位ごとに常時1名配置されること ③ ①の数及び②の条件を満たす場合は、当該事業所の他の単位における介護職員として従事することができる
機能訓練指導員 1以上 (理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師)

※生活相談員又は介護職員のうち1人以上は常勤 ※定員10名以下の地域密着型通所介護事業所の場合は看護職員又は介護職員のいずれか1名の配置で可

出典: 「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護」厚生労働省老健局 社会保障審議会介護給付費分科会(第219回)資料1

また、デイサービスではどのようなスタッフが勤務しているのでしょうか。以下、一般的なデイサービスで働くスタッフの役割をご紹介します。

スタッフ 主な役割
管理者 デイサービスの業務全般をマネジメントする。スタッフの勤務調整、レセプト作成、担当者会議の開催など
生活相談員 デイサービスにおける相談窓口。ご利用者やご家族からの相談対応、介護サービスの利用手続き、他機関との連絡・調整、送迎車の運転など
看護師 ご利用者のバイタルチェックや服薬管理
介護スタッフ ご利用者に対する身体介護、身の回りのお世話、レクリエーションの実施
機能訓練指導員 日常生活上の訓練、嚥下体操、簡単な体操など
調理員 ご利用者に提供する食事の調理、栄養管理
事務員 センター運営に関わる事務業務、電話対応など

4.デイサービス(通所介護)のサービス内容

デイサービスでは、主に次の8つのサービスを提供しています。

  • 送迎
  • 健康チェック
  • 食事の提供
  • 入浴
  • 排泄の介助
  • 生活機能訓練
  • アクティビティ
  • 口腔ケア

それぞれのサービス内容について確認していきましょう。

送迎

ご利用者が自宅から通所介護(デイサービス)事業所へ移動する際は、施設が準備した送迎車を使うのが一般的です。この送迎車を利用することで、歩行に障がいのある方(杖や歩行器などを使っている方)も利用できますし、車両によってはリフトが付いているため車いす利用者も安心して乗ることができます。

健康チェック

デイサービスに到着後、スタッフが血圧、体温、脈拍などを測定します。また、会話などを通して健康状態をチェックすることで、入浴や生活機能訓練が通常通りに行えるかを判断します。 もし普段より血圧や体温が高い場合は、入浴をキャンセルしたり、普段立って行っている生活機能訓練を座って行ったりするなど、柔軟にサービス内容を変更します。

食事の提供

デイサービスにおける食事の提供方法は事業所によってさまざまです。事業所内に厨房があり、できたての食事を提供する事業所もあれば、近隣でお弁当を購入して提供する事業所もあります。また、デイサービスを利用する時間帯によっては、お茶やおやつの提供もあります。他のご利用者と会話をしながら食事を摂れるので、自宅で一人で食べるよりも、楽しい時間を過ごせるのも特徴です。 SOMPOケアのデイサービス「ハッピーデイズ」では特に食事に力を入れており、レストランのコース料理のような食事を提供する日を設けています。

入浴

入浴は、デイサービスの基本サービスの一つです。入浴スタッフ見守りのもと安心して入浴ができます。銭湯のような大きな浴槽があったり、寝たまま入浴できるストレッチャーがあったりなど、事業所によって設備はさまざまです。入浴すれば身体の清潔を保てることはもちろん、リラックスできてストレスの解消にも繋がります。デイサービスで入浴することで、自宅で介護を担っているご家族の負担軽減に繋がるメリットもあります。

排泄の介助

デイサービスでは、個人に合わせた方法で排泄の支援を行います。一人での排泄の行為や動作が難しくなった方、排泄機能に障がいがある方でも安心です。排泄の介助が必要な方には適宜声かけやトイレへの誘導をしたり、オムツを利用している方にはオムツ交換の介助をしたりします。オムツや尿取りパットは、原則としてご利用者が必要分を持参します。

生活機能訓練

生活機能訓練は、日常生活に必要な動作の維持・改善を目的としています。身体に必要なことはもちろん、認知機能に関するトレーニングも生活機能訓練に含まれています。具体的には、歩行訓練、ラジオ体操、タオルやステップ台を使った体操、ストレッチ、マッサージ、脳トレなどです。一人で行う生活機能訓練もありますが、大人数で行うものもあり、ほかのご利用者と声をかけ合って楽しめるプログラムもあります。

アクティビティ

デイサービスでは、事業所によってさまざまな行事や催しがあります。アクティビティを開催する目的は、気分転換やストレスの解消、身体機能の維持・向上などです。 具体的には、桜のシーズンに車で桜の名所を回ったり、夏祭りの時期には事業所内に屋台を作り食事やゲームを通して楽しめるサービスを提供したりしています。事業所によってアクティビティの開催頻度は異なりますが、ご利用者が満足できるように工夫を凝らしています。

口腔ケア

口腔ケアもデイサービスで提供しているサービスの一つです。口腔ケアは、単に歯磨きをして口のなかを清潔に保つことだけでなく、健康維持や口腔機能向上のためのリハビリも含まれています。 デイサービスでは、食後の歯磨きはもちろん、口腔内や口周りのマッサージ、咀嚼や嚥下のトレーニングなども実施されています。事業所によっては、歯科医院と連携を図り、定期的に口腔健診を実施しているところもあります。

5.デイサービス(通所介護)を利用する費用

デイサービスを利用する際の費用は、ご利用者の要介護区分や、利用時間、デイサービスの規模などによって異なります。また、日常生活費(食費・おむつ代)は別途自己負担で、サービス内容に応じて各種加算があります。 なお、要支援1・2の方は地域支援事業の対象となり、要介護区分や利用回数、市区町村によって金額が異なります。例えば、東京都荒川区では、利用料の目安を1,960円~3,947円と設定しています(自己負担割合が1割の場合)。

出典: 「介護予防・日常生活支援総合事業のサービス」東京都荒川区

具体的な料金は自治体や事業所によって異なりますので、事前に確認するようにしましょう。 なお、下表にはいずれも2時間以上3時間未満を記載していませんが、心身の状況やご利用者のやむを得ない事情(例:長時間のサービス利用が困難など)のある方は2時間以上3時間未満の利用も可能です。詳しくは担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)にたずねてみてください。

通常規模型通所介護の1日あたりの費用

通常規模型通所介護における1回あたりの費用は、下表のとおりです。

要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
3~4時間未満 370円 423円 479円 533円 588円
4~5時間未満 388円 444円 502円 560円 617円
5~6時間未満 570円 673円 777円 880円 984円
6~7時間未満 584円 689円 796円 901円 1,008円
7~8時間未満 658円 777円 900円 1,023円 1,148円
8~9時間未満 669円 791円 915円 1,041円 1,168円

※ご利用者の自己負担割合が1割の場合

大規模型通所介護Ⅰ(月750人~900人以内)の1回あたりの費用

大規模型通所介護Ⅰにおける1回あたりの費用は、下表のとおりです。

要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
3~4時間未満 358円 409円 462円 513円 568円
4~5時間未満 376円 430円 486円 541円 597円
5~6時間未満 544円 643円 743円 840円 940円
6~7時間未満 564円 667円 770円 871円 974円
7~8時間未満 629円 744円 861円 980円 1,097円
8~9時間未満 647円 765円 885円 1,007円 1,127円

※ご利用者の自己負担割合が1割の場合

大規模型通所介護Ⅱ(900人超))の1回あたりの費用

大規模型通所介護Ⅱにおける1回あたりの費用は、下表のとおりです。

要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
3~4時間未満 345円 395円 446円 495円 549円
4~5時間未満 362円 414円 468円 521円 575円
5~6時間未満 525円 620円 715円 812円 907円
6~7時間未満 543円 641円 740円 839円 939円
7~8時間未満 607円 716円 830円 946円 1,059円
8~9時間未満 623円 737円 852円 970円 1,086円

※ご利用者の自己負担割合が1割の場合

地域密着型通所介護の1回あたりの費用

認知症対応型通所介護(認知症デイサービス)は、地域の実情に合わせた介護支援が受けられる地域密着型サービスの一つです。地域密着型通所介護における1回あたりの費用は、下表のとおりです。

要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
3~4時間未満 416円 478円 540円 600円 663円
4~5時間未満 436円 501円 566円 629円 695円
5~6時間未満 657円 776円 896円 1,013円 1,134円
6~7時間未満 678円 801円 925円 1,049円 1,172円
7~8時間未満 753円 890円 1,032円 1,172円 1,312円
8~9時間未満 783円 925円 1,072円 1,220円 1,365円

※ご利用者の自己負担割合が1割の場合

認知症対応型通所介護(認知症デイサービス)の1回あたりの費用

認知症対応型通所介護(認知症デイサービス) (単独型)における1回あたりの費用は次のとおりです。

要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
3~4時間未満 543円 597円 653円 708円 762円
4~5時間未満 569円 626円 684円 741円 799円
5~6時間未満 858円 950円 1,040円 1,132円 1,225円
6~7時間未満 880円 974円 1,066円 1,161円 1,256円
7~8時間未満 994円 1,102円 1,210円 1,319円 1,427円
8~9時間未満 1,026円 1,137円 1,248円 1,362円 1,472円

※ご利用者の自己負担割合が1割の場合

療養通所介護の1月あたり・1回あたりの費用

療養通所介護は、通常の利用だと1ヵ月あたりの費用負担となりますが、短期利用だと1回あたりの費用を負担することになります。下表のとおりです。

要介護度と種類 利用者負担 ※1割の場合
要介護1~5通常利用 12,785円 ※1ヵ月あたり
要介護1~5短期利用 1,335円 ※1回あたり

サービス別にかかる費用

デイサービスでは、個別でサービスを受けた場合、上記費用とは別にサービス加算として追加で料金がかかります。以下、サービス加算の名称と内容・料金の例を見ていきましょう。

名称 内容 加算される料金
入浴介助加算 ご利用者の入浴サポート、観察 40~55円/1日
栄養改善加算 低栄養状態のリスクがあるご利用者の栄養管理、栄養に関する相談 200円/1回 ※月2回を限度
口腔機能向上加算 ご利用者の口腔機能の改善、口腔機能に関わる個別指導、助言など 150~160円/1回 ※月2回を限度

6.デイサービス(通所介護)のメリット

ここからは、デイサービスを利用するメリットをご紹介します。

ご家族以外と交流する機会を持てる

デイサービスを利用すると、外出する機会が増えます。ただ外に出るだけ出なく、スタッフや他のご利用者と交流する機会が増えるのは大きなメリットといえます。人に会うために身なりを整えたりお化粧をしたりして、気分を高めてデイサービスに向かう女性のご利用者もいます。自宅に引きこもりがちで、ご家族だけとしか会話していない場合、孤立感が生まれる懸念がありますが、さまざまな方と接することで、社会との関わりを持ち楽しみや生きがいを見つける方もいらっしゃいます。

健康維持や生活の質を向上できる

デイサービスでは、ご利用者の利用時の記録を残して健康状態管理を行います。看護や介護に関する知識を持ったスタッフが管理するので、同居しているご家族では気付きにくい体調の変化をいち早く察知するきっかけの一つともなります。また、機能訓練やアクティビティに参加し身体や脳を動かすことで健康状態や生活の質の維持・向上も期待できるでしょう。身体を使うことはもちろん、トランプや脳トレ、将棋など頭を使うアクティビティもあるので、他のご利用者と一緒に楽しみながら心身の健康維持・向上が図れます。

ご家族の介護負担を軽減できる

デイサービスを利用する目的の一つは、ご家族の介護負担軽減です。デイサービスを利用している時間は、ご家族が介護から離れられ自分の時間を持つことができるので、生活にゆとりが生まれます。送迎や入浴、食事の提供をしているデイサービスを選べば、大幅に負担軽減ができるでしょう。デイサービスを利用するご本人にとっても、ご家族以外の方と交流する機会になり、気分転換やストレスの解消に繋がります。

7.デイサービス(通所介護)のデメリット

デイサービスを利用することには、メリットだけではなくデメリットもあります。ここでは、2つのデメリットを見ていきましょう。

ストレスを感じてしまう可能性がある

デイサービスを利用している他のご利用者と性格や趣味が合わない、またデイサービス自体の雰囲気が合わないなど、さまざまなことからストレスを感じる方もいます。事業所によって雰囲気は大きく異なるので、利用するデイサービスを選ぶ際には必ず見学や体験利用を行い、ご本人がストレスなく利用できそうな事業所を選びましょう。もしデイサービスに通い始めてからストレスを感じるようであれば、なるべく早くケアマネジャーに相談し、事業所の変更を検討することをおすすめします。

利用回数によっては費用が多くかかる

デイサービスはケアプランに基づき、要介護度に応じた利用限度額の範囲内で通える回数が決まります。要支援1・2の方は1ヵ月ごとの定額です。一方、要介護の方は要介護度と利用時間に応じて、定額ではなく利用回数ごとに費用が発生します。そのため、要介護の方はデイサービスの利用回数が多いほど費用負担が大きくなるのです。また、食費やアクティビティで使う備品や排泄用具などは、介護保険の適用対象外であり実費負担になります。

8.デイサービス(通所介護)の1日の流れ

事業所によって異なりますが、デイサービスにおける1日の流れは、およそ次のようになっています。

時間 内容
8:30 送迎健康・バイタルチェック(血圧・体温測定)
9:30 入浴
10:00 個別アクティビティ、機能訓練、体操
12:00 昼食、お口の体操、服薬介助、口腔ケア
13:00 休憩
14:00 アクティビティ、体操
15:00 休憩、おやつ
16:30 送迎

9.デイサービス(通所介護)の利用がおすすめな方

それでは、デイサービスは具体的にどのような方におすすめなのかお伝えします。

身体機能の維持・向上を図りたい方

デイサービスで行われている機能訓練やアクティビティを利用することで、身体機能の維持・向上が期待できます。デイサービスには、各スタッフや相談員が常駐しているので、健康面の不安や日常生活上の動作に関する困り事の相談ができるのも安心です。

バランスの良い食事を摂るのが難しい方

デイサービスでは、栄養バランスが整った食事を提供してもらえるので、健康維持を期待できます。他のご利用者とコミュニケーションを取りながら食事ができるのも大きなメリットです。日頃は一人の食事でつい食欲が低下しがちな方でも、デイサービスならしっかり食事ができるというケースもあります。また、ご家族が食事を作る負担の軽減にも繋がります。

一人で入浴するのが困難な方

自宅で入浴するのが困難な方や介助を必要とする方でも、デイサービスに通えばスタッフの介助を受けながら入浴できます。手が届きにくい部分もスタッフの介助によって、清潔に保つことが可能です。また、座ったまま入浴できる機械浴の設備があるデイサービスもあります。入浴に関してもご家族の負担軽減が図れるため、日々の入浴で困っている場合はデイサービスを利用してみると良いでしょう。

自宅に閉じこもりがちの方

高齢になるとともに外に出る機会が減少し、自宅に閉じこもりがちになる方は少なくありません。しかし、デイサービスを利用すれば外に出る機会やご家族以外の方と会う機会を作れます。一人で外出するのが難しい方でも、デイサービスには送迎サービスがあるので安全に外出できます。

ご家族やご利用者それぞれで気分転換する時間が欲しい方

ご家族とご利用者、それぞれに息抜きの時間、気分転換できる時間が欲しいと考えている方にデイサービス(通所介護)はおすすめです。ご家族にとっては、ご利用者がデイサービスを利用することで介護負担が軽減されます。身体介護や食事の準備などの体力的な負担の大きい役割がある場合は、その負担から解放されて体調を整えることに繋がりますし、空いた時間に他の用事をしたり、自分の時間を持ったりすることができます。 一方、ご利用者にとっては、デイサービスで他のご利用者との交流・ふれあいをもつことができますし、アクティビティなどを通じて気分転換することもできます。

10.デイサービス(通所介護)の利用手続きの流れ

デイサービスは、以下の流れで利用することができます。

  1. 要介護認定を申請する
  2. ケアマネジャーに相談する
  3. 事業所に見学や体験に行く
  4. ケアマネジャーに契約したい旨を連絡する
  5. 契約手続きを行う

デイサービスは、事業所ごとに特色や雰囲気が違うため、ご利用者の方が「自分の性格に合わない」と感じる場合もあるでしょう。その場合は、事業所の変更も可能ですが、事務手続きなどの手間が増えてしまうので、最初の契約前に見学や体験利用を必ずしておきましょう。もしいくつかの事業所で迷った場合は、ケアマネジャーに相談してみることをおすすめします。担当している他の高齢者の方が、すでにデイサービスを利用しているケースもあり、詳しいサービス内容やスタッフの雰囲気、評判などを知っている場合もあります。

11.社会交流の場を持つならデイサービス(通所介護)が最適

今回は、デイサービスの特徴、利用対象者、費用などについてお伝えしました。 デイサービスは、事業所によってさまざまな特徴があります。ご利用者の希望に合う事業所を選ぶためにも、契約前に見学や体験利用をしてみましょう。 ご利用者にとって社会交流の場に出ることは、心身機能の維持や向上にも大きく影響してきます。自分らしい生活を維持するためにも、デイサービスを活用し社会交流を定期的に行える機会を持つことが大切です。 SOMPOケアでは、デイサービスをはじめ、さまざまな在宅介護サービスを運営しています。ご利用者やご家族の状況を把握したうえで、最適なサービスをご案内させていただきますので、少しでも介護についてお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

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監修・執筆

林 修造

福祉系専門学校の教員として社会福祉士・介護福祉士の養成教育に携わる。福祉人材の教育は約20年のキャリアがあり、医療・介護・福祉だけでなく、年金や医療保険などの社会保障にも精通している。専門学校で教鞭を取る傍ら、福祉系の国家試験応援ブログで情報を発信するなど、多方面で活躍中。

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