ユマニチュードの四つの柱(その4)
2023年7月30日
いつもホームだよりをご覧頂きありがとうございます。
ケアコンダクターの保坂です。
先日、ユマニチュードの「見る」「話す」「触れる」について少し触れさせて頂きました。
今回は、ユマニチュードの基本となる四つの柱の最後の一つ、「立つ」について、私なりに噛み砕いてお話させていただければと思います。
ユマニチュードの「立つ」は、他の3つと比べると、少し毛色が異なります。
「見る」「話す」「触れる」は、相手との絆を結ぶための動作でしたが、「立つ」は『自我の覚醒』になります。
「自我:自分自身に対する、各個人の意識・概念=私」の「覚醒:目が覚めること、目を覚ますこと」
私の目が覚めること・・・、なんだか難しいですね。
ユマニチュードでは、立つことは「人間らしさ」の表出の一つとしています。
~以下の2行は、日本ユマニチュード学会のホームページより引用しています。~
「人間は直立する動物です。」
「立つことによって体のさまざまな生理機能が十分に働くようにできています。」
人は立つことによって、人としての自分を知る。人としての自覚を持つ。というような事だと私は思っています。
人間の赤ちゃんが成長する過程の中で、寝返り→ずりばい→ハイハイを経て、立ち上がりをすると思います。
なぜ、立ち上がろうとするのでしょうか?
両親や周囲の人たちが、立って行動しているのを見て、マネようとするからでしょうか?
私が赤ちゃんの時に、何を考え、立つことを試みたのかは全く思い出せませんが、きっと人間の本能のような、「私は立ち上がらなければならない。なぜならば、私は人間だから。」というような衝動もあったのだろうと思います。
そして、立つことにより、初めて足の裏に感じる自分の重さ、視野の変化、直立を保つ為のバランス感覚など、いろいろな新しい刺激を受け、脳や細胞が活性化し、新たな成長を促して行くのだと思います。
それだけ、「立つ」という行為が、人にもたらす刺激は大きいのだと思います。
高齢者の方にとっても、「立つ」という行為はとても有用です。
立つ事によって、「ふくらはぎ」が刺激されます。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれています。ふくらはぎの筋肉を動かすことで、足の方に滞っている血液を心臓に押し戻す、ポンプの役割を担っています。
ポンプを動かし、血流が活発になり、全身が刺激されます。
もちろんふくらはぎだけではなく、下肢を動かすことで血流が活発になり、足のむくみの改善はもちろん、筋力の維持・増強や、全身の機能を引き出すきっかけになります。
人生の最期まで立ちましょう! 歩きましょう!
直立し、「私は人間だ!」と声をあげましょう!
最期まで立つことへのお手伝いを、少しでもさせていただければと思っています。
以上です。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
【ユマニチュードって何?】
https://www.sompocare.com/service/home/kaigo/H000026/message-detail/207268
【ユマニチュード4つの柱(その1)「見る」】
https://www.sompocare.com/service/home/kaigo/H000026/message-detail/208025
【ユマニチュード4つの柱(その2)「話す」】
https://www.sompocare.com/service/home/kaigo/H000026/message-detail/214071
【ユマニチュード4つの柱(その3)「触れる」】
https://www.sompocare.com/service/home/kaigo/H000026/message-detail/217925
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