高齢者の運動不足解消には無理なく続けられる体操がおすすめ!簡単にできる体操5選

令和2年現在の日本人の平均寿命は、男性81歳、女性87歳と過去最高を記録しています。長生きをする方が増えるに従って、平均寿命ではなく「健康寿命」に注目が集まっています。健康寿命とは、歳を重ねてもハツラツと自立して暮らせる期間のことです。
そこで本記事は、健康寿命を延ばすために体操をおすすめします。日々の生活に体操を取り入れ、筋力の低下や骨折などのけがを防ぎましょう。

1.高齢者に体操がおすすめの理由

高齢者の方は日頃から体操を取り入れてみましょう。ここでは、体操がおすすめの理由を4つご紹介します。

理由1 自宅で気軽にできる

体操というとラジオ体操のように、全身を大きく動かすイメージがあるかもしれません。実は、口だけ・目の動きだけなど体の部位ごとの体操も存在します。

身体の部位ごとの体操は、有酸素運動や筋トレのような大きな負荷や呼吸の苦しさが少なく、続けやすいのがポイント。負担も少なく、自宅で気軽に始めることが可能です。

口を動かす「口腔体操」を例にしてみましょう。

口腔体操は、噛む力・飲み込む力・話す力をサポートする部位を動かします。口の機能の衰えは、食生活に支障をきたしたり滑舌の悪化を招いたりすることがあります。うまく話せないことで、社会との関わりを避けてしまうことも。
健康と密接に関わる重要な部位ですが、この体操で動かすのは口や口のまわりだけなので、座った状態でも気軽に挑戦できます。

口腔体操について詳しくはこちらの項目で紹介しています

理由2 特別な道具は不要!無料で始められる

基本的に特別な道具は必要ありません。家庭にある椅子やタオルを使ってはじめることができ、中には道具を使わなくてもできる体操もあります。
昔は教本を購入したり教室に通ったりすることが必要でしたが、最近はYouTubeなどで体操動画が無料公開されています。スマートフォンを使いこなす方も増えており、体操に特化した無料アプリも公開されています。お気に入りの動画やアプリを見つけて活用するのも楽しく続けるコツの一つです。

理由3 寝たきりの原因となる転倒を予防!

転倒が原因で入院や寝たきりになる高齢者は少なくありません。転倒予防のためには、運動不足による体力や筋力の低下を防ぐことが大切です。まずは体を少し動かす体操から、気軽に取り組んでみてはいかがでしょうか。
住み慣れた自宅で快適に生活を送るためにも、ぜひ体操の習慣をつけましょう。

2.健康寿命を延ばす「普段より10分間多く動く」+10運動

厚生労働省は「+10(プラス・テン)」を推進しています。
これは「普段より10分間多く動くことを心がけよう」という取り組みで健康寿命を延ばすことを目的としています。また日頃の運動は ※ロコモティブシンドロームのリスクを軽減します。年齢を重ねても「自分でできることは自分でやる」が実現できるよう、+10を意識してみましょう。

健康寿命について詳しくはこちらをご覧ください

※ロコモティブシンドロームとは
筋肉・骨・関節などに障害が起こり、歩く・立つといった身体能力(移動機能)が低下した状態のことを指し、「ロコモ」や「運動器症候群」と呼ばれることもあります。ロコモが進行すると、介護が必要になる可能性が高まります。元々、高血圧や生活習慣病を持っている方や運動習慣がない方はとくに注意が必要です。

3.SOMPOケアが提案!気軽にできる体操 5選

ここでは、SOMPOケアの介護予防インストラクターが監修した体操をご紹介します。基本的に座ったままできるかんたんな体操が多いので、ぜひチャレンジしてみてください。

※SOMPOケアの人材育成 介護予防インストラクターとは?
SOMPOケアは介護予防インストラクターの育成に力をいれています。インストラクターは、専門的な知識や技術、高齢者にわかりやすい指導方法などを学び、ご利用者の健康維持のために活動しています。

コロナ禍の外出制限で運動不足が懸念される中、インストラクターが監修した「SOMPOケア スマイル体操」は自宅でかんたんにできる体操として好評を得ています。

SOMPOケア スマイル体操:呼吸法編

まずは、呼吸をコントロールして自律神経を整えます。正しい呼吸法を取り入れることでストレスの軽減を目指しましょう。呼吸法は準備運動としてもおすすめです。

    呼吸法のメリット

  • 深い呼吸で自律神経を整える
  • 頭をすっきりさせる

SOMPOケア スマイル体操:口腔体操編

口腔体操は口の周りの筋肉を動かします。発声したり顎を指圧したりと動きのバリエーションが多くおもしろい体操です。呼気訓練や発声訓練で、オーラルフレイル(口腔機能が低下した状態)を予防し、いつまでもおいしく食事ができることを目指します。年齢を重ねて、食べるときにむせやすくなった方や、飲み込む力が落ちてきたと感じる方におすすめの体操です。

また、口腔機能が低下している方は、サルコペニア(加齢による骨格筋量や骨格筋力の低下)やフレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)の方は要介護状態などのリスク発生率がそれぞれ2倍以上高いと言われています。口腔機能を維持することで、身体の様々な機能・能力の低下の予防にもつながります。

    口腔体操のメリット

  • 誤嚥(ごえん)や肺炎予防が期待できる
  • 滑舌の改善が期待できる
  • 咀嚼(食べ物を噛み砕くこと)機能を鍛えることで、おいしくご飯を食べることができる
  • おいしくご飯が食べられるので、食事量が増え栄養摂取の維持・向上につながる。
  • 身体の様々な機能・能力の低下を予防することができる。

SOMPOケア スマイル体操:転倒予防編

体が硬いとバランスが取りにくくなり、転倒しやすくなる可能性があります。普段動かす機会の少ない部分をストレッチすることで、日常生活での動きをスムーズにし、体を柔らかくします。呼吸法や口腔体操に慣れてきたらチャレンジしてみましょう。

    転倒予防体操のメリット

  • 安定した歩行のために重要な筋肉をストレッチすることができる
  • 上半身・体幹のストレッチもあるため、腰痛・肩こり予防にもつながる

転倒予防について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

SOMPOケア スマイル体操:リズムステップ編

ここまでの体操で慣れてきた方や体力のある方は、ぜひこちらのリズムステップ編にも挑戦してみてください。リズムステップは、楽しくリズムをとりながらおこなう体操です。手をグーやパーにしたり数を数えたりするかんたんな体操で、どなたでもチャレンジしやすいです。

    リズムステップ体操のメリット

  • 認知機能の低下予防
  • 脳の活性化
  • 有酸素運動になり生活習慣病の予防につながる

SOMPOケア スマイル体操:ペットボトル体操編

「今日はいつもより動けそう」「がんばれそう」と感じたときにチャレンジしてほしい体操です。水を入れたペットボトルを活用し、筋力アップを目指します。まずは小さめのペットボトルを用意し、少なめの水ではじめてみましょう。慣れてきたら徐々に水の量を増やしていき、突然筋肉に負担をかけることのないよう注意してください。

高齢者向けの体操ではありますが、四十肩、五十肩などの肩こり解消にも効果が期待できます。オフィスワーカーや運動習慣のない若い方にもおすすめできる体操です。

4.体操習慣を身につけて健康維持を!

高齢者の運動におすすめの体操をご紹介しました。運動習慣は、介護予防やケガの防止に効果的です。とはいえ、運動を長続きさせるためには「もう少しがんばれるかも?」と思うところでやめておくことも大切です。無理な運動は続かないことが多いのです。
また、運動も大切ですが、バランスのよい食事にも気を付けましょう。偏りのない、トータルバランスのよい生活を目指すことが大切です。

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