【認知症月間】認知症について考える③
2024年9月26日
・認知症と自分について
30年程前、介護の世界に入りました。まだ【認知症】という言葉が無かった時代です。
介護保険も無く、介護福祉士が国家資格になる前です。
初めて勤めた施設に、スタッフに人気がある認知症をお持ちの女性入居者様が居ました。
歩くことは出来ず、ベッドの上でいつもお孫さんの名前を呼んで、探していました。
とてもかわいらしい方で、時折記憶もしっかりする〔まだら認知症の方〕でした。
他に認知症の方はおらず、初めて見る認知症の方でしたので、自分の中で認知症の方の基準になっていました。
3年程働き介護職から10年程離れて、再度介護職に戻った施設には、さまざまな症状の認知症の方がお見えになり、戸惑ったのを覚えてます。
当時、認知症の研修をきちんと受けた事が無かったので、認知症の方の対応は、先輩に相談しながら対応していました。
なので、ご家族様の対応も、きちんと出来ず、あいまいな対応になっていました。
その後は、色々学びながら、実践も積んでいき、自己流にはなってしまいますが、対応ができるようになり、ご家族様にも寄り添う対応ができるようになりました。
在宅でのご家族様の対応の難しさを、痛感した事があります。
利用者様が、家の前で転んでいる所を通りかかり助けると、大けがをしているにも関わらず笑っておられ、「何かあったら○○に電話して下さい」とあったので連絡すると、娘様が飛び出て来られ、「これで4度目なんです」と言われ、「目が離せない」と嘆いておられました。
その時の私は、寄り添った言葉をかける事できませんでしたが、「少し聞いてもらえて嬉しかった」と言われた事が、嬉しかったです。
認知症の方だけでなく、ご家族にも寄り添う。
簡単のようで難しい事だと思います。
経験を積み続けられる介護職ならではの寄り添い方をしていきたいです。