【連載】高齢者ケアにおける排泄について~内的要因
2021年7月13日
いつもホーム便りをご覧頂きありがとうございます。
上席ホーム長の高比良です。
本日も排泄についてお話させて頂きます。
失禁の種類や原因についてアセスメントする上で外的要因と内的要因の2つがありますが、
本日は内的要因についてお話させて頂きます。
【内的要因】
①問題…尿意が我慢できずにトイレに間に合わない(切迫性尿失禁)
観察…膀胱炎の有無、脳・脊髄疾患の既往がないか、前立腺肥大の有無、
薬の影響の有無
対策…尿検査、膀胱弛緩剤の服用などを医師に相談、紙おむつなどの検討
②問題…尿が排泄しきれず残った尿が少しずつ尿道が溢れ出てしまう
(溢流性尿失禁)
観察…糖尿病や前立腺肥大の有無、残尿はないか
対策…残尿測定、薬物療法、留置カテーテル、前立腺肥大の治療、手術
③問題…咳やくしゃみで尿が漏れる(腹圧性尿失禁)
観察…尿意に関係なく力んだ時に漏れるか
対策…骨盤底筋訓練、尿取りパットなどの検討
内的要因によって起こる尿失禁に対しては、薬物療法などの医療的な対応と、生活指導や行動療法などの併用が行われます。
そしてアセスメントする上でとても大事な事として、
まず、急に起こった失禁であれば膀胱炎や尿路感染による物ではないかをチェックします。
原因が膀胱炎などであれば1週間程度抗生剤を内服する事で治癒する事も可能です。
膀胱炎かどうかは尿検査などが一般的ですが、排尿痛の有無、尿の汚れ、尿臭などの介助する側の観察でもある程度は把握する事ができます。
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