認知症は大変なだけでは無いのです
2022年10月17日
今日もホームページをご覧頂き、ありがとうございます。
当ホームにお住まいの99才の女性のお話です。
重度の認知症があり、ご本人では歩くことは出来ません。立つことも出来ず、寝起きをするにも、排泄、更衣にも、お食事をするにも介助が必要です。1日の中で、機嫌の変動も大きく、ご機嫌にお話ししていたと思ったら、突然怒り出してしまう。という事もあります。そんなときは手も出る為、スタッフが引っかかれてしまう、という事もあります。大きな声を出したり、食器や、テーブルなどをガンガン叩いて音を出してしまう事もあります。
こう記載すると、「大変な人だな」という印象しかなくなってしまいますよね。
認知症はご本人も辛いですが、関わる周囲の人たちも辛いものです。
同じことを何度も聞かれて、辟易してしまう。どう説明しても理解できない。子供のようになってしまう。認知症を患った方は、どうしても「何も分からない、何もできない人」という印象が付いてしまいます。ですが、実際は、きっちり理解できている事もありますし、他者への優しさもありますし、悪い事ばかりではありません。
この方のお宅には、可愛いぬいぐるみが2体います。猫とクマの抱き枕です。
写真を撮った日は、1日中気温が上がらず、肌寒い日でした。ふとスタッフがその方を見ると、ご自身が掛けていたひざ掛けで抱いていたぬいぐるみを包み「寒いね」と話しかけながら優しい目で見つめておられました。
普段機嫌の悪い時には、ぬいぐるみをお渡ししても放り投げてしまう事もありますが、スタッフに渡された物をただ抱いているだけ、という姿が多いです。そんな方が、ひざ掛けを巻いて、暖を取ってあげようとしている姿に、思わず写真を撮ったそうです。
どんなに色んな事が分からなくなってしまっていても、子供を立派に育て上げた母ですから、気温が下がってきたら風邪をひかないように温めてあげよう。とか思われたのでしょう。ご自分の事だけでなく、他に気を配る事は忘れて無いのです。
私たちは、日々認知症がある方と接していていますが、どの方からも思いがけずグッとくる労いの言葉を頂いたりする事があります。そんな時は決まって、こちらの顔をしっかり見て、目の焦点があった状態で言葉を送って下さいます。まるで日々私たちが行っている事を全て理解して、記憶しているのではないか?と感じてしまう場面も多々あります。こうした姿を見ると、苦労して生きてこられた人生の深みを感じずにはいられません。
これからも、こうした素敵な瞬間をどんどん増やして頂けるよう、お支えしたい、と感じる出来事でした。
大変なだけに思われる症状ですが、こうした瞬間に触れる事が出来るからこそ、介護職は魅力があるのだと思います。
施設の中で起こった、素敵な出来事は、ご家族にご報告し、共有させて頂いています。
ご家族の代わりに、こうした瞬間、素敵なお母様・お父様の様子をお伝えする事も、介護施設の役割だろう、と思っています。
★★近隣ホームのご紹介★★
******************************************************************
【近隣 サービス付き高齢者向け住宅】
・そんぽの家S久米川
https://www.sompocare.com/service/home/satsuki/H000402
【近隣 介護付き有料老人ホーム】
・そんぽの家 八坂
https://www.sompocare.com/service/home/kaigo/H000233
・そんぽの家 萩山
https://www.sompocare.com/service/home/kaigo/H000227
・そんぽの家 小平仲町
https://www.sompocare.com/service/home/kaigo/H000242
・そんぽの家 東久留米中央
https://www.sompocare.com/service/home/kaigo/H000277
*******************************************************************
