細菌とはなんでしょう?②
2020年5月19日
①の続きとなります。
細菌は人の体に侵入して病気を起こす有害な細菌もいます。
しかし、一方で人間の生活に有用な細菌も存在します(納豆菌・麹菌・乳酸菌など)。
そして人の体には常在菌と呼ばれる多くの種類の細菌がいて、皮膚の表面や腸の中の環境を保っています。
このように有用な細菌とは別に私たちが恐れているヒトに病気を起こすことがある細菌も存在します。
有名な細菌としては「大腸菌」「黄色ブドウ球菌」「結核菌」などが知られています。
そして、この病気を引き起こす細菌を退治するための薬が「抗菌薬(抗生剤、抗生物質)」と呼ばれています。
しかし、この抗菌薬が「効かない」もしくは「効きにくくなった」細菌のことを「薬剤耐性菌」といいます。
この薬剤耐性菌としてはMRSAと呼ばれるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌や多剤耐性緑膿菌感染症などとなります。
人間がより強力な抗生物質を作りだすと、その薬にいつしか耐性を持った最近が出てきます。
人間と細菌は共存と闘いを繰り返してきた歴史を持っています。
細菌が原因となる感染症には下記のようなものが挙げられます。
<代表的な細菌性感染症>
・百日咳
・梅毒
・結核
・コレラ
・ジフテリア
・マイコプラズマ肺炎
・赤痢
・溶連菌感染症
・O157などの腸管出血性大腸菌感染症 など
細菌感染症のなかでも百日咳・梅毒・結核などは原因となる菌が明確で、それに感染することで特徴的な病気にかかります。
しかし、なかには同じ1つの細菌でもどこに感染するかによって、呼吸器感染症・尿路感染症・敗血症・髄膜炎などと異なる病気を引き起こすものもあります。
また、感染症を起こす危険性のある細菌でも、感染する臓器や個人の免疫力によっては無症状で保菌されることもあります。
※保菌とは病原体、細菌などを体のなかに持っていても症状を示さないことをいいます。
(無症候キャリア、保菌者、不顕性感染などとも呼ばれます)
このように、これまでなら効くはずの抗菌薬が効かなくなると、感染症の治療が難しくなるだけでなく、手術の時や抗がん剤治療で免疫が低下したときの感染予防など、さまざまな医療が困難になります。
人類は耐性菌との戦いをこれまでも繰り返してきています。
コロナウイルスに対しても現在様々な治療薬に対しての臨床が進められていますし、認証されたお薬もあります。
コロナウイルスはまだまだ未知の存在ですが、歴史上の多くの感染症も、この道なる戦いの歴史に成り立っているのだと思います。
今後ともそんぽの家成城南をよろしくお願いいたします。
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