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認知症って⑦

2020年3月7日

認知症には「中核症状」と「周辺症状」と言われるものがあります。

「中核症状」はご病気の進行により、脳の働きが低下することで、直接的に起こる「記憶障害」「見当識障害」「理解・判断力の低下」「実行機能障害」「言語障害・失語」「失行」「失認」などの認知機能障害を「中核症状」と言います。

「記憶障害」はアルツハイマー型認知症では早くからみられる障害で、新しいこと(短期記憶)を覚えられなくなり「さっき聞いたこと」「したこと」を記憶することが難しくなります。次第に覚えていたことも忘れるようになっていきますが、自分が子供の頃の記憶など、昔の出来事(長期記憶)は比較的保持し覚えている事ができます。

「見当識障害」とは、今がいつ(時間、年月日、季節)で、ここがどこ(場所、何をしているのか)という、自分が今、置かれている状況を把握することです。自分と他人との関係性の把握も見当識に含まれます。
見当識の「いつ」が障害されると、今が何時なのかがわからなくなり、「約束の時間を守れない」「予定通りに行動することができない」などの行動がみられます。
次第に「今日が何月何日なのか」「自分は何歳なのか」ということもわからなくなり、季節感も薄れて、「季節に合わない服装をする」など、現実の生活での違和感が日常的に観ることが多くなります。
そして「どこ」という場所認識が障害されると、「道に迷う」ことや「自分の家のトイレの場所がわからなくなる」「ものすごく遠いところに歩いてでかけようとする」ことなどがみられます。
トイレの場所がわからないと「部屋の隅」「ゴミ箱」など、自分の中で認識をしているトイレに近い場所や環境でトイレを行う事が出てきます。これが認知のズレとなります。
自分と他人との関係性が障害されると、自分と家族との関係や、過去に亡くなったという事実もわからなくなり、「自分の息子を『お父さん』と呼ぶ」ことや、「亡くなった親に会いに行くと言う」ことなどがみられます。

「理解と判断力の低下」については、理解することに時間がかかるようになり、情報処理をする能力も低下し「一度に2つ以上のことを言われる」「早口で言われると理解できない」などの問題が出てきます。そして「いつもとは違う出来事」が起こると対応できず、パニックや混乱することがみられ「怒り」「不安」に転化され介護者を困惑させることがあります。
また、曖昧な表現も理解・判断しにくく、例えば「暖かい恰好をしてね」と言われても理解できず、「セーターとコートを着てね」と「具体的な指示」が必要になります。
善悪の判断もつきにくくなり「人の食事を食べる」「大きな声で文句を言う」などこれまでの生活では見られなかった行動や言動が観られることがあります。

「実行機能障害」とは、物事を行う時に計画を立て、順序立てて効率良く行うことが難しくなります。
食事の支度をする時には、冷蔵庫にあるものを確認してメニューを考え、足りないものを買い出しに行き、冷蔵庫にあるものと合わせて、予定していたメニューをつくることを一連の流れとして行います通常私たちは買おうとしていたものがスーパーで売っていなくても、他のもので代用するなど、予想外のことが起こっても他の手段を考えて適切な対処ができます。そして料理をする時は先に炊飯器のスイッチを押しておき、その間におかずを作るなど、効率を考えて同時に進めていくことができますが、実行機能障害では、「○○と△△でみそ汁を作る」「炊飯器のスイッチを押す」ことはできても、必要な情報を統合して遂行することが難しくなります。例えば味噌汁の中に果物を入れて味噌汁を作る。野菜と味噌を入れるだけで火にかける事を忘れてしまう。お米をフライパンに入れて水をいれ焦がしてしまうなど、出発とゴールで、するべき手順工程の情報が整理できず混乱し結果として失敗する事や実施できなくなる状態です。

「言語障害」とは言葉の理解・表出が難しくなります。音として聞こえていても、ことば、話として理解できない、自分が思っていることを言葉として表現する、相手に伝わるように話すことが難しくなります。

「失行」は、「お茶を入れる」「服を着る」「スプーンを使ってご飯を食べる」など日常的に行っていた動作や物の操作が運動機能の障害がないにもかかわらず行えなくなります。

「失認」は、自分の身体の状態や自分と物との位置関係、目の前にあるものが何かを認識することが難しくなることです。半側空間失認では、自分の身体の半分(左側または右側)の空間が認識できず、「ご飯を半側だけ残す」「片方の腕の袖を通し忘れる」などがみられます。

様々な機能が私たちには備わっていて、日常生活では、それらの機能を複雑に実施しているのだと改めて認識されます。

(⑧へ続きます)

今後ともそんぽの成城南をよろしくお願い致します。


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