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認知症って⑥

2020年3月7日

「前頭葉側頭葉型認知症」はあまり聞かれることがないご病気なのではないかと思います。

前頭側頭型認知症は、脳の中の「前頭葉」と「側頭葉」の神経細胞が少しずつ壊れていくことによって、いろいろな症状が出てくる認知症です。
脳の中で、前頭葉は「人格・社会性・言語」を、側頭葉は「記憶・聴覚・言語」を主につかさどっています。
この部位が萎縮する事で以下のような症状が出てくると言われています。
(交通事故などで、前頭葉や側頭葉に障害を受けた際に同じような症状が現れる事がありますが、こちらは高次脳障害に分類されます)

初めに現れる症状は、「他人に配慮することができない」とか「周りの状況にかかわらず自分が思った通り行動してしまう」といった「性格変化」「行動異常」であって、物忘れではありません。
そのため、単に性格が変わっただけと思われて、病気の発見が遅れがちになります。
そして、病気の始まりから終わりまで、この「性格変化」「行動異常」はほかの症状よりも目立ちます。

またこの病気はピック病と呼ばれることもあり「前頭側頭型認知症の約8割は、ピック病」だといわれています。
前頭側頭型認知症は「前頭葉・側頭葉に委縮が見られる認知症」ですが、その中でも脳の神経細胞に「Pick球と呼べれる異常構造物」が見られるものを、ピック病と呼ぶことが多いです。
以前は、前頭側頭葉型認知症は全て「Pick球」があると考えられており、前頭側頭葉型認知症そのものを「別名:ピック病」としていました。
しかし、研究が進むにつれ、「Pick球」が見られなくても前頭葉や側頭葉前方に萎縮が見られる認知症があることがわかり、現在では「ピック病は前頭側頭型認知症の一つ」として、分類されるようになりました。

この病気の方は、初期のうちから、毎日決まった時間に決まった行為をする事(常同行為)へのこだわり(固執)や、周囲への配慮に欠けた行動(脱抑制)が多くみられます。
またそれを制止されると、興奮したり暴力をふるう(易怒性)などのBPSD(行動心理障害)が、病初期から目立つこともあります。

このため、比較的早期から精神科の専門病院などに入院される患者さんもおられます。
しかし、病気の進行に伴い、意欲や活動性の低下が強くなってくるという特徴もあります。
そして初期の頃にみられていた「配慮に欠けた行動」「興奮」「暴力行為」どは逆に目立たなくなってきます。(感情の平板化)
同じ行為の繰り返しについても、複雑な行動は減り、膝をさする、ズボンのしわを指でなぞるというような、単純な行動が残ります。
さらに進行すると言葉を発しなくなり、椅子に座ったり、ベッドに寝たままで何もしようとせずに過ごすようになります。
運動機能も廃用症候群のために徐々に障害されてきます。
このご病気は生活環境を調整したり、症状によっては短期入院を行うことで、別の許容できる行動にかえられることがあります。

初期症状が出現してきた際には、周囲の方の「病気に対する理解」が必要なご病気です。
「病気と症状に対する理解」を行う事で、介護を提供させて頂けるご病気です。

(⑦へ続きます)

今後ともそんぽの成城南をよろしくお願い致します。

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