一冊の本から
2018年11月1日
ある日のこと、お帰り際のご家族さまが、美しい装丁の本を差し出されました。
「以前に出版したものです。よろしければ……」
ご入居中の奥さまの作品がまとめられた句集を、ご寄附くださったのでした。
ご夫婦で海外のさまざまな国を巡られた、思い出のひとつひとつが
ページを繰るごとに、眼前に浮かぶような作品の数々です。
俳句がご趣味でいらしたんですね、と思わず口にすると
「ええ、ほかに絵も描きますし、コーラスなんかもやってね……」
と顔を綻ばせながら、ご家族さまはお話しくださいました。
ご入居者さまおひとりおひとりの人生には、大切な思い出があり
ご家族さまとのかけがえのない絆がある……
ゆっくり時間をかけて、この一冊を読ませていただこうと思います。
