地域包括ケアシステムとは
2024年1月9日
ある日のこと。
Web上に興味深い記事が...
●異様にひとり暮らし高齢者が多い謎県・鹿児島…
若い世代は家族同居も60代以上の独居率右上がりの
歴史的背景「PRESIDENT Online」
https://president.jp/articles/-/77568
「鹿児島県は、高齢者の子どもとの別居率が他県と
比較して目立って高い。江戸時代の17世紀後半以降、
日本全国で分割相続から単独相続への移行が起こり
成立した「家制度」が鹿児島地方だけは未成立で
あったことに由来すると考えられる。」
「戦後、それまでの家督相続(単独相続)を廃止し、
女性を含めた均分相続(分割相続)が制度化された
ことで、単独相続に移行せず分割相続の風習が
残っていた鹿児島地方に、図らずも日本の
多くの地域が近づくこと(実態的には元に戻ること)
になった。」
このことから、「ひとり暮らし高齢者の歴史が長い
鹿児島地方には、高齢者の福祉、介護、医療、防災
などにかかわる社会慣習として他県が学ぶ点がある
可能性が高い」と、記事では結ばれています。
そこで思い出されるのは、厚労省が推進する、
2025年を目途に構築される「地域包括ケアシステム」
のこと。
どうにも腑に落ちない点があるこのシステムの内容について、
上記記事が学びの扉を開けてくれそうな気がします。
●高齢者住宅居住者のつながりと居住継続に関する研究
「馬場康徳(2021)」
https://rissho.repo.nii.ac.jp/records/10212
「本研究の目的は、見守り機能や生活相談機能が付帯
した公営住宅であるシルバーハウジング、および、
近年注目を集めている民間資本を活用した
サービス付き高齢者向け住宅居住者の居住意識について
分析し、居住継続意向に寄与する項目を明らかにする
ことである。(7P)」
上記論文の「高齢者の居住継続意向の調査」と云う部分が、
地域包括ケアシステムの、「可能な限り住み慣れた地域で」
自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう
(後略)、と云う箇所から受ける私自身の違和感の解消に
役立つのではと感じました。
続けます。
「65歳以上の者がいる世帯のなかに占める一人世帯あるいは
夫婦のみ世帯の合計は1975年の21.6%から2019年の61.1%と
大幅に増加した。(26P)」
上記鹿児島県の記事、「(もともとそうで在った)鹿児島地方の
世帯の高齢化と核家族化に日本の他地域が近づくこと」と、
論文内の日本全体の調査結果とが合致します。
更に。
「2015年に内閣府が発表した「平成26年度一人暮らし
高齢者に関する意識調査」によれば、「誰かと一緒に
暮らしたいか」という質問に対しては、一人暮らしの
高齢者の76.3%が「今のまま一人暮らしでよい」と
回答している。
「一人暮らし」=「孤独」=「不幸」というように短絡的に
「一人暮らし」が「不幸」であるということではないと
いうことである。(35P)」
「近年は、配偶者や子どもの有無に関わらず、老後の生活を
自身で選択し、設計するという価値観の高齢者が増えてきて
いるものと考えられる。
その結果、血縁や地縁に拘らない新たなコミュニティを求め、
老後をアクティブに生き抜くライフスタイルの増加に繋がって
いるといえる(195P)」
「施設生活は家族の生活を尊重することであり、施設は自分が
世話になるという心の負担から開放される場所であるとしている。
さらに、施設生活が家族と対等な関係の維持につながる
ことも明らかにしている。(195P、196P)」
「公営住宅であるシルバーハウジングについては、当該市区町村の
居住者であるという入居資格が課せられており、「住み慣れた地域」
がある程度成り立っている。
しかしながら民間の経営母体が提供するサービス付き高齢者向け
住宅においては、このような制約がないために、当該市区町村以外
からの住み替えが多かった。
住み替えの理由において「住宅に共感したから」が最も多く、
必ずしも「住み慣れた地域」という場所・立地を住み替え
理由にしていなかった。
つまり、住み替えた住宅に共感の持てるものがあり、
ニーズが満たされれば、「住み慣れた地域」への
住み替えが必ずしも求められる訳ではないと
いえよう。(247P)」
地域包括ケアシステムへの少しの疑問から始まった、
知識が乏しい者としての学びの時間でした。
糧にできるかどうかは、全ては捉え方次第。
精進いたします。
●厚生労働省 地域包括ケアシステム
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/
ご家族さま、近隣地域とも協力し、ご本人の心身の状態に応じた適切なケアを提供します。またケアスタッフやケアマネジャー、看護スタッフなど、多職種が連携し、尊厳を大切にしたケアに努めます。
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