【連載】高齢者ケアにおける排泄について
2021年7月10日
いつもホーム便りをご覧頂きありがとうございます。
上席ホーム長の高比良です。
本日は排泄についてお話させて頂きます。
もし、皆さんが原因もわからずに急に尿失禁(お漏らし)をするようになったらどうしますか?
「おむつをします」と簡単に結論を出すような事はしないと思います。
誰かに相談もしづらい内容なので、インターネットで原因を調べたり、病院に行き検査をして治療を選択する方が大半だと思います。
仕事に行くのも外出する際も漏れていないか、臭っていないか心配になり、仕事に集中したり外出を楽しむ余裕はないと思います。
これは私たちだけではなく、高齢者の方にも言える事になります。
高齢になると様々な影響により失禁をする場面が増えてきます。
この失禁というのは、ノーマライゼーション(普通の生活)を阻害する要因となり、高齢者の価値を引き下げる事につながります。
尿失禁をするようになり、それを放置しておくと高齢者の方は次第に自尊心を失っていきます。外出を控えるようになったり、イベントの参加も控えるようになったりして生きている楽しみも意欲も失われていきます。
ここでノーマライゼーションの考え(自分だったらどうか)が大事となります。
もし、私たちが急に尿失禁をしてしまったらどうするか。
原因を考え治療をすると思います。高齢者の方も同じです。
高齢だから仕方ないとあきらめてしまってはいけません。周囲でサポートする私たちも諦めた気持ちを持ってはいけません。
尿失禁のすべてが治療により改善されるわけではありませんが、排泄の障害は自尊心を低下させてしまう事を考えると介護の現場に携わる人間としては正しい知識を持って排泄障害へのアプローチをしていく事はとても重要となります。
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