【連載】転倒について②
2021年5月22日
いつもホーム便りをご覧頂きありがとうございます。
上席ホーム長の高比良です。
本日も転倒についてお話させて頂きます。
転倒が生じる原因は1つではなく、多くの要因が影響しています。
段差の有無、履物等の環境的問題だけでなく、注意力や視力や筋力といった高齢者自身の身体能力の問題、神経系や循環器系の疾患、降圧剤や睡眠薬などの薬の影響も深く関係している事が多いです。
これら転倒の原因は大別すると「内的要因」と「外的要因」に分けられます。
「内的要因」とは、個人の身体機能と関連した要因のことを示し、
「外的要因」とは、建物の構造や使用している履物、明るさ、施設の状況などのハード面だけでなく、職員の配置や薬などを示します。
「段差に躓いて転倒してしまった」という一つの事例においても、
内的要因では、筋力が弱っていた、反射的に手すりにつかまれなかった。
視力が悪く段差に気づけなかった、睡眠不足で注意力が欠けていた。
外的要因では、バリアフリーでなく段差があった事、手すりなどの支えが近くになかった、躓きやすい履物を履いていた事、薬の影響でフラフラしていた。などの複数の要因が絡んでいたりします。
よって、転倒予防策として、例えば「履物を変える」と一つだけの対策を講じても効果は薄い為、様々な要因を点検して対策を講じる必要があります。
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