湯むきのトマト
2023年10月19日
いつもそんぽの家蘇我のお便りに足をとめていただき、ありがとうございます。
今回のタイトルは「湯むきのトマト」です。
皆さんは、「好きなものを食べる」ということを日常的に、好きな時にされている
かと思います。
では、最期の瞬間に何を食べたいですか?と問いかけられたら、パッと〇〇を食べたい!
と答えることができますでしょうか。
私は…大好きなたらこスパゲッティーにのりをたっぷりかけて食べたい!と数年前から心に
決めております!
先日、施設でお看取りさせていただいたA様の最期に食べたいものは「トマト」でした。
A様は毎週水曜日に施設を訪問してくれる移動スーパーで必ず生のトマトを購入されて
いらっしゃいました。
冷蔵庫にはいつも冷えたトマトが常備されていて、1日1回食べることが大切な日課。
A様はお亡くなりになる2か月程前から、お食事や水分が飲み込めないという症状がおありに
なり点滴で命を繋がれていらっしゃいました。
ですが、施設では延命治療となる点滴は長期間行うことができないため、ご本人様と
ご家族様でご相談した結果、治療はせず自然な形で施設でお看取りをさせていただくこと
になりました。
お亡くなりになる数日前、「(大好きな)トマトが食べたい」とお話してくださったA様。
その時には、お口から1~2口の水分しか飲み込みができない状態でした。
お話を受け、皆ですぐに相談。
「固形になっているのは難しいからトマトジュースがいいのではないか?」
「やわらかくなっているホールトマトならいいのではないか?」
色々な案ができましたが、最終的に「A様が好きなのは加工されていない純粋な
トマトだったよね!」という話になり、すぐにスーパーへ。
ミニトマトを購入し、湯むきをしてやわらかい中身だけの状態のものを
小さく小さく刻んで、3粒分を昼食時にご提供しました。
お口にいれさせていただきましたが、やはり飲み込むことはできずエキスを
2口程度召し上がっていただくことしかできませんでしたが、しっかりと味を
感じていただけたようで、「すごくおいしかった」とお話してくださいました。
そして数日後、苦しまれることもなく安らかにお空へ旅立たれました。
私達施設職員にとって、ご入居者様の最期の瞬間に立ち会うことは辛いけど避けられない
こと…
でも一緒に考えて一緒に過ごす機会をいただき、人生に幕を下ろす準備を手伝わせて
いただけることはとても貴重なことだと思うのです。
これからもご入居者様の最期の瞬間の少しでも彩を添えられるように、日々鍛錬して
いきたいと思っています!
ご家族さま、近隣地域とも協力し、ご本人の心身の状態に応じた適切なケアを提供します。またケアスタッフやケアマネジャー、看護スタッフなど、多職種が連携し、尊厳を大切にしたケアに努めます。
その他のサービスについて閉じる全室個室なのでご面会は24時間いつでもお気軽にお越しいただけます。居室にトイレや洗面台もあり、ご自宅と同様のプライベート空間を確保。また、緊急呼出装置が各所に設置されており安心です。
※一部ホームでは居室にトイレが無い場合もあります
住み慣れたお部屋で最期を迎えたいというご入居者さまのご要望により、看取りに対応しています。事前に看護処置の準備、医療機関との連携の確認、ご家族さまとの連絡体制の確保などを行い、心を込めて、身体的、精神的苦痛、苦悩の緩和に努めます。
その他のサービスについて閉じる咀嚼力、嚥下力に合わせたやわらか食など、お身体の状態に合わせた形態食をご用意。高血圧や心臓病などの病態別食や、減塩食などにも対応いたします。食べる楽しみを感じ続けていただけるよう、日々メニューの開発に努めています。
その他のサービスについて閉じる1~30日間(29泊)まで、要介護1から要介護5の認定を受けている方がご利用いただけます。車椅子をご利用の方や歩行が困難な方でも、安心してお過ごしいただけます。ご家族の外出等で、ご自宅で過ごすのが困難になる間など、お気軽にご活用ください。
その他のサービスについて閉じる末期がん・難病などの方で、医療依存度が高くご自宅等でのご生活や療養が困難になられた方に向けた、特別な料金プランをご用意しています。また、介護スタッフと看護スタッフが24時間常駐しているので、安心してお過ごしいただけます。
その他のサービスについて閉じる