偶然の再開
2022年1月5日
とあるご入居者様が廊下にいた私に血相を変えて向かって来て「この絵を描いた人は自分の知り合いだ!」と突然仰るのです。
何の話かと伺ってみるとこの木版画の作者は「川上澄生」という横浜をモチーフに描いた有名な版画家だそうで、「今までこの絵が自分の部屋の前に飾ってある事は知っていたんだが気にも留めんかった。今朝何故かこの絵の女性と目が合った気がして、マジマジと眺めていたら、次に見覚えのある落款印が目に飛び込んできてハッと気が付いたんだよ」と話され、さらに伺うと「川上澄生」さんは木版画家と英語の教員をされている時代があったそうで、ご入居者様は栃木県県立宇都宮中学校で一年生の時に「川上澄生」さんから英語の授業を受けた思い出があるとの事。テストの捺印によく似た落款印を押されていたそうでとても厳しい先生だったそうです。何故か急にこの絵が気になり「まさかこんなところで先生に再開できるとは何かのご縁ですね」と大変喜ばれていらっしゃいました。ホームに飾られている木版画の不思議な繋がりを感じるお話をご紹介させて頂きました。
