つるし雛の楽しみ
2021年2月12日
毎年この時季になると、出かけた先のあちこちでいわゆる「つるし雛」を見かけることがあります。
何か和風の飾りつけがあるな、と、無知な筆者は長年ただ漫然と眺めるだけだったのですが、ある時その由来を教わる機会があり、それから興味深く見るようになりました。
お花、手毬、おくるみ人形、そして色々な種類の食べ物……
ひとつひとつのモチーフには江戸時代の人々、とりわけ高価な段飾りなど用意出来ない庶民の想いが込められているといいます。共通しているのは、子どもたちが幸福で健やかに成長するように、という願いです。
「なんでニンジンがぶら下がってるんだろうアハハハハ」などと口走っていた過去の自分が恥ずかしいです。無論、栄養を摂って丈夫な身体に育つように、という意味が込められているのです。
「あら、かわいいものだね」
「だれが作ったのかしら」
「わたしは糸でつなげただけなのよ」
ホームの手作りつるし雛を一緒に眺めながらご入居者さまに話を伺いつつ、桃の節句の意味に思いを馳せる日となりました。
