今春の桜に寄せて
2020年3月26日
人の世に何が起きようと季節がめぐれば桜は花を咲かせ、それを愛でるささやかな楽しみの中に、ひととき心の安寧を求める。
今年の春をそんなふうにお過ごしの方も少なくないことと思います。
ホーム内で普段どおりの生活を送られるご入居者さま方。皆さまの目を楽しませるために、スタッフのひとりが桜の枝をホームに届けてくれました。
エントランスに飾りつけた当日はまだほとんどが蕾でしたが、屋内の暖房のおかげかあっという間に満開に。
入れ代わり立ち代わり、多くの皆さまがエントランスに足を運んでくださいます。
「日に何度も、見せてもらっているの」
笑顔でそんなふうに打ち明けてくださる方も。
桜が他の花と少し違うのは、こういうとき、集った二人、三人が何となく口をつぐんで、ただ静かに花を見つめる時間が不意に訪れるところです。
穏やかな時間が流れるホームと、一歩外に出た世界で起きていることのギャップに気づかされる瞬間が、日々のそこかしこにあります。
ご入居者さまの生活を守るために、いますべきこと。それはおそらく、多くの人々の心掛けと変わるところはないでしょう。粛々と実行しながらこの春を過ごしていきたいと思います。
