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事業所の日常

ぼけます

2021年2月25日

映画「ぼけますから、よろしくお願いします。」

広島県呉市。この街に暮らす父親と母親、そして東京で暮らす娘のドキュメンタリー映画です。
父の身の回りの世話を一手に担う母。昔ながらの仲良し夫婦。最近、母はもの忘れが多くなり、病院でアルツハイマー型認知症と診断。父・母・娘は、認知症が徐々に進行していく現状にとまどい、苛立ち、受け入れながら、家族の生活を模索していきます。

いつも笑顔で優しく、料理も裁縫も得意で、社交的で友達も多かった、自慢の母。そんな母が、だんだんと、出来ていたことが出来なくなっていく。母は、その現状に、不安な戸惑いの表情でつぶやくように早口で言います。
「わからんよわからんよ、ばかになってしもうた、わからん、わからんのじゃがねぇ。どうしたんじゃろう。どうしてわからんようになるんかねぇ。わからん、わからん、ほんとうにわからん、おかしいねぇ。迷惑かけるねぇ。ごめんね、ごめんなさい。」。

ずっと家族の面倒をみてきた母が、家族に面倒をかけている。母親として、妻としての役割を失っていく母親は、いら立ち、泣き叫びます。
「私はここ(家)におったら邪魔になるんね」
「邪魔になるなら死にたい」

一方で、「だんだんできなくなっていく。悲しいね。でも人間だから仕方ない」と穏やかに話す母の姿もあります。

激しい時間と昔と同じ穏やかな時間が混在する。それが日常となっていく様子が丁寧に撮影されていました。

映画を見終えた私は、「役割の喪失は第三者が引き起こすものだ」「役割の喪失が、認知症の症状を進行させ、その人の自尊心を傷つける」「認知症のご利用者様と一緒に、ご利用者様の役割を見つけることが、ヘルパーの重要な仕事のひとつだ」と反省し痛感しました。

このドキュメンタリー映画は、認知症の当事者の気持ち、家族の思いを、ありのまま感じられます。興味を持たれましたら、ぜひご覧ください。

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