『出来ることは・・・』
2020年9月2日
こんにちは、ケアスタッフの政田です。
もう20年以上前になりますが、まだ私が別の会社に勤めていた時のお話です。
その当時も介護のお仕事をさせていただいてたのですが、
そこに両目の見えない女性のご利用者様がいらっしゃいました。
その方が『生け花サークル』に参加したいということで、
生け花をされることになったのですが、
目がお見えにならないので危ないだろうということで、
先生やスタッフがほとんど切ったり、剣山に生けたりされておりました。
そうして何回かサークルに参加した後、ずっと我慢していたのでしょう...
もじもじしながらその方がこう切り出されました。
『あんな、自分で切って、自分で生けたいねん。出来ると思うねん』
しかも、ご自身の生け花用の切りばさみもご用意されていました。
やってみてもらうと多少のサポートは必用なものの、
束になった固い茎をしっかりと切り、
枝を落とし、剣山にさし、花を広げることが出来ました。
『ここまで出来るんだ』と、私は驚きました。
と同時に完成した時のその方のとてもいい笑顔が印象的でした。
『やれることはやりたいねん』
この日私は自立支援の大切さを学びました。
時は移って現在...
私はSOMPOケア内での異動に伴い、
ここ甲南山手で今年の5月から働かせてもらっています。
正直、まだまだ新しい環境に慣れません(笑)
ある方の入浴援助に入った時です。
その方は動作がゆつくりで高齢ということもあり、
私は当然のように衣服の着脱に手を出していました。
するとその方は穏やかな口調でたしなめるように私に言いました。
『大丈夫だよ、ゆっくりだけど自分で出来るよぉ』
わたしはハッとなりました。
見ていると休み休みではありますが、お部屋にあるものを支えにして、
慣れた動作で全てご自身で衣服を脱がれてしまいました。
『出来ることは自分でやらないとねぇ』
過剰な手出しは必要ない。
その方の出来ることを大切にし、自立をサポートしていくのが
「介護」だということを改めて学びました。
他にも、ご自身で頑張ろうと様々なことに
チャレンジされているご入居者様が大勢いらっしゃいます。
ご自身の能力を発揮して頂けるよう、
今後もサポートしていきたいと思っておりますm(__)m
それにしても20年経っても同じ過ちを繰り返しているって・・・
懲りないワタクシ(>_<)
