介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)SOMPOケア ラヴィーレ仙川ホームだより

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ホームの日常

ホーム長の経歴書⑮高津編~転機

2021年10月10日

 居酒屋の店長から介護施設で従事するようになって半年が過ぎたときに、Tホーム長と面談がありました。

 「井上さん、介護に移ってきて半年過ぎましたけどどうですか」~みたいな感じで問われました。今までしてきた仕事と共通点はあるものの経験のないことが多く、本当に勉強になったことを話したと思います。そして引き続き、
「今後、どういうふうに考えています?」と問われたので、

「出向期間は1年ときいていますので、1年経ったら、外食に戻りたいです。」と言いました。

 Tホーム長は「えっ!」ととても驚いています。

 Tホーム長は私が~まず介護福祉士をとって~とか、~ホーム長を目指したいです~とか答えると思ったのでしょうか?
私が介護に移ってきた経緯など伝わっていないんだなーとあらためて思いました。まあ、そりゃ伝えないよな、アウトロー的な社員の印象を持たれていたと思うし、それだから『外食』から出された、みたいな奴の情報なんて伝えないよな・・・きっと介護異動組はみな自ら進んで異動してきたと思われていたんだな・・・そう思いながら、
「そうなんだ・・・」という言葉しか出ないTホーム長を眺めていました。

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 数日後、Sエリアマネジャーがホームに来て、面談したいと呼び出されました。この方、『外食』では最年少部長として名を轟かせていた方だったので、私は知ってはいましたが、向こうは私のことは知らないと思っていました。時々ホームに来ているのを見かけていても、会話を交わしたことはありませんでした。ほぼ初対面のSマネージャーに開口一番
「外食に戻りたいの?」と言われました。

 「戻りたいも何も、1年間出向と言われて、ここに来てます。『外食』でまだやりたいことがありますので、当然戻るつもりです。」となんの淀みもなく返答しました。

しばらく間をおいてから、Sマネージャーは、
「『外食』から『介護』に移ってきた社員の中で『戻りたい』なんて言っているの、井上さんだけなんだけど・・・」と言います。私は、
「他の人がどういう思いでで『介護』に来たかは知りませんが、自分は1年間の出向と聞いた上で異動を了解しました」と言いました。

しばらくの沈黙の中、Sマネージャーはこう言います。
「・・・こちらにもいろいろと予定があるから、困るんだよな~」

私は、心の中で、~予定?なんのこと?~と思いました。

するとSマネージャーは、
「実は井上さんに行ってほしいホームがあります。私が担当として受け持っているホームの中で非常に雰囲気が暗いホームがあるんです。そこに入り込んで、ホームの雰囲気を変えてほしいんです」と言います。続けて、
「井上さんは、この(高津の)ホームで、『井上軍団』みたいなのを作って、楽しく仕事しているじゃないですか。その楽しい雰囲気をその(問題としている)ホームにも展開してほしいんですよね。」

『軍団』って・・・・(;^_^A

あまり意識してはいなかったですが、確かにIke君を含め自分中心にチームみたいなものが出来上がっていて、定期的に飲み会を開き「こんな介護したいよね」みたいなことを言い合ったりしていました。まあ楽しく仕事をしていたと思います。

 会話は交わしたことはなかったですが、そういううところを評価されていたことは、それなりにうれしかったです。

が!

 私は外食に戻る決意は変わりません。遡ること半年前、あんな悔しい思いをしてきて、そのまま介護で従事する気はありませんでした。

「評価していただき、ありがとうございます。ただ外食に戻りたい気持ちは変わりません」私がきっぱり答えたことで、その面談はそこで終わってしまいました。


介護で仕事することが嫌であったわけではありません。私はあの悔しい思いを自分の中でどうしても昇華できなかったのだと思います。

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 1月になって再びSさんが私と面談したいとホームに現れました。「どうしても井上さんにそのホームに行ってほしい。『外食』に戻りたい気持ちは分かった。しかし、『介護』で成果を出して、『外食』に戻ったほうが井上さんのためだと思う。」

そのようにSマネージャーに言われ、~それもそうかな・・・~と思いました。

元々アウトロー的な印象を持たれていたことの結果が今の状況ならば、Sマネージャーが言うように、何か成果を出すことも必要かなと思いました。
でも、『外食』に戻るのが遅くなるのも嫌だな、とも思いました。

数分間、いろいろ考えました。すると、Sマネージャーは言います。

「そのホームの雰囲気が明るくなった時には僕が責任もって、井上さんを『外食』に戻すから。」

そこまでSマネージャーが、確約を明言するなら、と気持ちが固まりました。W社の最年少部長として名を轟かせた方が、約束を反故にすることもないだろうとも思いました。

「わかりました。引き受けます。」

私の転機になりました。


こうして、私は、レストヴィラ大宮の副ホーム長として、異動することになりました。

つづく・・・・次回より大宮編

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