ホーム長の経歴書⑨
2021年8月29日
『介護』に出向してきてから、ほぼ8時間の労働で帰宅する日が続き、私は体力が余っていました。どこかでバイトでもしようかな～と思ったぐらいです。慣れ、というのはすごいことです。居酒屋の店長をしていた時は、12時間の労働が基本みたいになっていましたので・・・時間を持て余してしまいました。仕事中心で、これといった趣味がない生活をしてきたことに気づかされました。
当時の高津のホームでは、厨房のスタッフが足らず、シフトが埋まらないことが度々ありました。その時には私ともう一人の居酒屋出身のスタッフが臨時に調理業務を手伝うことがありました。私の場合は先述通り体力が余っていたので、シフトが埋まらなければ、積極的に厨房に入り、調理業務をお手伝いさせていただきました。早番終わった後の夕食提供、夜勤明けでひと眠りしてからの夕食提供・・今だったら、労基で騒がれますね。(汗)
しかも私は給与体系が管理職扱いだったので、一切の残業手当なしです。(お得ですよねえ)
それでも、時間を持て余していたので、積極的にお手伝いさせていただきました。(寂しい生き様ですなぁ・・・)
厨房業務を手伝うごとにいろいろ気になることが出てきます。
当時の厨房では盛り置きが当たり前でした。
(盛り置き イメージ図)
食事提供の30分ぐらい前にはイメージ図のように作業台に盛り付けされたものが並んでいます。提供が始まったら、トレーに盛り置きしたものを載せていくだけです。ですから、当然、最後の方に提供された料理は冷めています。「盛り置きしなければ冷めないのになあ」そう思いながら作業していました。提供中に男性スタッフのMさんが、あるご入居者の提供の順番が回ってきたときに、いきなり盛り置きしてある料理をレンジで温め始めました
私:「Mさん、それはなんで温めるんですか」
Mさん:「この人はうるさいから」
私:「うるさく言わない人は冷めたまま出していいんですか?」
Mさんは、数秒間固まっていました。そして、「そう言われてみればそうだね・・・」と。
教わっていないんだ・・・・作る側の立場でしか作業を教わっていないことが残念に思いましたが、Mさんが悪いわけではないとも感じました。当たり前になっている環境というのは恐ろしいことです。そして、初期教育というものの大切さが身に沁みました。食事を食べる側に立って考えたら「温かいものは温かく、冷たいものは冷たく」提供された食事の方がおいしいに決まっています。作業に「心」が入っていないことが問題だと考えさせられました。
つづく・・・・・まだまだ高津編
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