ホーム長の経歴書⑦
2021年8月15日
「あんた何なん!そんなおっさん臭い格好で来て・・明日から私服できいや!」
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『介護』へ出勤の初日に、初めて出会った女性職員に、いきなり「おっさん臭い」と言われ(苦笑)、ホーム玄関で固まっていると、男性職員がシャカシャカとやってきて、ここで靴を脱いであがってくださいと、あれよあれよと客室みたいなところに通されました。そこには、私と同じ『外食』から異動してきた女性社員がいましたが、なんせいきなりあのように放言され、状況がよくわからずこの辺の記憶があまりはっきりしていません(汗)。
気づけば客室へ通してくれた男性職員から何かの説明を受けていましたが、内容が全然覚えていません(大汗)。ただ、どうやらこの説明していてくれる方がここのホーム長のTさんであることがわかりました。そして、あの関西弁の女性はW社が最初に立ち上げた介護施設の初代ホーム長で、今は関東のホームの入居促進のために相談員をやっているKさんであることを説明されたことは記憶に残っていました。
後年、W社の介護事業で看護部長を務めたKさんに、この時の初対面の出来事を話したら、笑いながら「私、そんなこと言ったっけ?」と・・・ただ、初めて会った時の私の印象がすこぶる悪かったそうです・・・・・まあ、そうでしょうね・・・・その一昨日前まで、居酒屋の営業をして、しかも、1年の出向が終わったら『外食』に戻るという一物を抱えたまま出社してきたわけですから。
とにかく初日、朝からでドカンと大きなイベント?があったおかげで、それ以降の記憶があまりありません。しかし、もうそろそろ一日の勤務時間が終わるな～という頃に再び大きなイベントが起き、正気に戻りました。
それは夕食の時間帯のことです。初日なので、直接なにか作業をすることはなく、見学状態で作業の流れを見ていました。スタッフがダイニングに集まっているご入居者のところに食事を配膳しています。ぼーっ、と見ていただけでしたが、ある光景が飛び込んできました。
ベテラン風な女性ケアスタッフがリクライニング車椅子に乗っているご入居者様へ配膳しています。
「は～い、Mさん、食事来ましたよ～」
お膳をご入居者の目の前の机に置いた瞬間、刻まれていた主菜、副菜をいきなり、全部おかゆの中にガッ!ガッ!とぶち込みます。
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【私の心の声】
ちょっ、
ちょっ、
ちょっ、
ちょっと!せっかくお皿に盛りつけてあるものをなんで全部おかゆにぶっこむの?
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ぐしゃぐしゃぐしゃ、とかき混ぜまて、「は～い、どうぞ～」とお口に放り込んで(※表現が適切ではないかもしれませんが、あの時の私にはそう見えた)、食事介助をしています。
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【私の心の声】
ああああああああ!
お、お前、それ食ってみろよ!
無理無理無理無理(ヾﾉ･∀･`)ﾑﾘﾑﾘ
俺、絶対にそれ食べたくねー・・・・
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その当時の介護現場では当たり前の光景であったかもしれません。しかし、全く何も知らない状況でこの光景を見たときに、
「いや～、自分には『介護』は無理だわ。早く『外食』に戻ろう。」
そう決意させたものでした。
(図は介護・排泄ケア情報局ブログより引用)
つづく・・・・・高津編
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