介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)SOMPOケア ラヴィーレ仙川ホームだより

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ホーム長の経歴書㉗大宮編~変心

2022年1月2日

 IK様の転居する日が決まった。私が失意の状態であったからか、それとも直訴により社長面談による決定であったからか・・・IK様の転居についてはエリアマネージャーの主導で話が進んでいった。みつわ台所属のケアマネージャーが受入れ準備のため様子確認に来た日程も、荷物を運び出した日程も(ほとんど荷物はなかったが)、そして転居する日と介護タクシーの手配まで、私を介せずに決まっていった。もしIK様が車内で不穏になったらいけないと、タクシーには、その年度の新卒の男性社員Kiも同乗することも決まっていた。

 いちいちイラつきます。自分がないがしろにされていると感じました。さらに、「認知症があるからって、IK様は車内で不穏にならない、わかってないな」と今までIK様に関わってきた自負がある為、そのような配慮さえもイラつきました。

 悶々とする日が続きました。

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 12月某日、IK様は昼食をホームで摂ったあと、みつわ台のホームに出発となりました。IK様はご機嫌にタクシーに乗り込みます。

 このホームに住んでいたという認識がどれだけあったかわかりません。
ただ私はご機嫌なIK様を見ながら「もう、このホームには戻ってこないのにな」と思いました。
 心あるスタッフが数人、玄関に見送りに来ました。

「IKさん、さよならね!元気でね!」 涙ぐんでいるスタッフもいました。

 介助に入るのにはとても大変な方であったけど、この人を避けるスタッフやご入居者もいたけど、愛されているじゃないか・・・。

 虚しくなりました。

 IK様は車中ほとんど寝ていました。わたしもぼーっとしていて、同乗したKiと何を話したのか覚えていません。あと10分ぐらいでみつわ台に到着するというところで渋滞にはまりのろのろ運転になったころにIK様は目を覚まし、「おう、運転手さん、ここらで止めてくれ」と言い出したので、遠回りになってもいいから、車がスピード出せる道で進んでもらいました。

 みつわ台に着くと、当然いるかと思ったホーム長はお休み。担当のケアマネージャーもお休み。休みが悪いわけではありませんが、またイラついてしましました。

 「俺が大変な思いして関わってきたIK様が来たというのに、どちらもいねえのかよ。こいつらに任せて大丈夫なんか?」と。

 するともう一方の自分が「お前が看きれなかったんだから仕方がないだろ」「お前がホームを治められないから仕方がないだろ」とイラつく自分に畳みかけます・・・こんなやり取りを頭の中でわちゃわちゃとやっているので、非常に不機嫌であったと思います。

 IK様はみつわ台のホームの円居の第一号のご入居者でした。そのフロアにはIK様しかいません。これはこれでスタッフの人員配置などのオペレーション的には難しいことであったと思います。当時のみつわ台のスタッフの皆さんは本当に大変であったと思います。

 IK様が真新しいホームの中を歩き回っており、ケアスタッフが遠目でその様子を看ていました。IK様がどんな心境であったかはわかりませんが、私には今までとは違う環境に戸惑っているように見えて、辛くなりました。

 本来もっと感謝の言葉を述べなければならないのに、挨拶もそこそこにして、みつわ台のホームを立ち去りました。

 一緒に来たKiともどこで別れたのかはっきり覚えていません(モノレールの終始発駅の千葉駅までは一緒であったと思います)。私は大宮へ帰るため秋葉原で乗り換えるよう総武線に乗っていました。その電車の中で、『下総中山』の駅名をみて、はっ、と思いました。自分がW社に入社して、初めて店長をやったお店の最寄り駅。そこから紐づいて、この日の2か月ぐらい前に『外食』の時の上司であったHさんに、会社でたまたまばったり会った時のことを思い出しました。

 「いつまで『介護』にいるんだよ? 早くこっち(『外食』)に戻って来いよ。井上さんに店長やってほしい店あるんだからさあ。」

 その時はかつての上司にそう言われて嬉しい気持ちもありましたが、ホーム長の就任してから起きた様々な出来事と振り返ると、複雑な心境でした。
それらのことを思いながら、IK様をみつわ台のホームに『置き去り』にしてきたばかりでもあったので、より複雑な心境になりました。

~『外食』には戻れないな~

 なんとなく、そう思いました。

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 翌日、私は遅刻してしまいました。目が覚めたのは10時30分でした。

 11時ごろに出社して、事務スタッフのYさんとケアマネージャーのTさんに「9時に出社していなかったら、電話してくれていいのに」と話すと、二人してこう言います。

 「ホーム長、お疲れかと思って。」
 「何かあったら電話すればいいかな~それまでもう少し寝かせておこう、って。」


 続いて、ケア副主任のMさんのところに行って、「すみません、寝坊してしまいました」と謝ります。するとMさんはこう言って、笑い飛ばします。

 「ホーム長、お疲れ、お疲れ!」


 他のスタッフのところにも謝りにいくと、だいたいみんな同じような対応されました。

 ・・・IK様の一連のことで、みんなにいろんな心配かけていたんだな~そう感じてしまい、なんだか情けなくなりました。同時に、上長である私の遅刻を笑い飛ばしてくれたスタッフたちに対して、有難い気持ちになりました。

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      もう『外食』に戻る、というのは止めよう

      このまま『介護』でやっていこう



 この遅刻をしてしまった日に、そう決めました。

 二度とIK様のような退居がおきないように。


つづく・・・・次回も大宮編(まだまだあります)

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