ホーム長の経歴書㉒大宮編~試練
2021年11月28日
ケア副主任のFさんが、昼食時に事務所にやってきて、小声で言います。
「ホーム長、まずいよ、また異物混入・・・」
「えっ!」~思わず飛び上がってしました。
K様という女性のご入居者様の主菜(野菜炒めか何かだったと思います)の中に青いビニール片みたいなものが入っていたようです。そのビニール片を確認して、すぐにK様が食事をとっているテーブルに行き、謝罪します。K様は辺りを見回しながら、「Sさん、いないから、そっとしておいて。」そう言います。S様の食事に異物混入があって、ハンガーストライキ、創業者の謝罪などの大騒ぎがあってから、まだそれほど日が経っていません。たまたま、その日はS様が外出していました。K様は私に気遣ってくれました。
私も怒り心頭です。あれだけ運営懇談会で叩かれたあとで、また異物混入~厨房主任に原因を調べろと語気を強めて伝えます。
・・・・しかし、その当時の厨房に青い色のビニールの備品が見当たらないのです。調理用のポリ手袋や包装用のもの含め、青色の備品がないのです。もしかしたら、ホームの厨房で混入したものではないのでは・・・あの騒動の後でしたし、厨房スタッフも、ミスの無いようにと、ピリピリしていた時期です。
食材を加工しているセントラルキッチンにも事情を伝えて調べてもらいました。すると青色のビニール手袋を使っていることがわかりました。セントラルキッチンの担当者も可能性が全くないとは言えないとのことです。結局、原因はよくわかりませんでしたが、ホームで混入してしまった可能性と、セントラルキッチンで混入してしまった可能性を合わせて、K様に報告し、再発防止を約束しました。
・・・これにて一件落着、にはなりません。
この件が経路は不明ながらⒻ様という男性のご入居者に伝わり、Ⓕ様が立ち上がります。
※注)大宮編において、Ⓕ様は登場回数が多いので『F』を○で囲っておきます。
Ⓕ様はあれだけの大騒ぎになったのに、また異物混入を起こして、何をやっているのか!、と社長から再発防止の約束をいただけなければ、安心してホームで暮らせないとお怒りになります。
Ⓕ様はK様の席周辺で食事を摂っている身体機能が同レベル(自立に近い)のご入居者5名と合同で社長に謝罪を要求されます。
私はSエリアマネージャーに相談します。S様の異物混入事件直後のことでもあるからと、結局社長が謝罪に来ることになります。
Ⓕ様は、この件がS様に知れたらもっと大騒ぎになると、その点は気にされ、ホームに社長が来ることが知られるのは不味いだろうと、面会場所をホーム外に求めます。それで、大宮駅西口にある大宮ソニックシティの会議室を借りて、その場所で面会することになりました。Sエリアマネージャーを通して社長に謝罪をお願いすることになりました。
<図:大宮ソニックシティ>
ホームでの夕食が終わった後、18時30分出発でタクシーを用意して、19時から会議室で社長とSエリアマネージャー、5人の入居者の面会が始まりました。お前は入らなくていい、と私は会議室の外で待たされました。
21時少し前に面会が終わりました。社長は、内容はSエリアマネージャーから聞け、と急ぎ帰路につきました。参加した方をタクシーに乗せ、ホームに戻ります。22時近くから、Sエリアマネージャーから内容を聞きます。
~ホームでの再発防止対策は現在進行中であること、セントラルキッチンでの異物混入対策は万全であるが、再度確認することお伝えし、謝罪して、ご理解を得たとのことでした。
その話のあと、ホーム長が頼りないからしっかり教育しろ、という話があったとのことでした。特にⒻ様は自身が会社を経営していた方なので、リーダーはかくあるべきという自らの経験で得た考えをお持ちの方です。
・・・社長に謝りに来てもらうようじゃだめだ、と話されていたとのことでした・・・
なんかものすごく腹が立ちました・・・
『あんたが社長を呼べ!って、言っただろう』と思いましたし、
『不承不承引き受けて、ホーム長の仕事を全うしようとしているのに』とも思いましたし、
『前任者は全てぶん投げていなくなったのに、報われないな』とイラつきました。
私は多分、ぶすっとした顔でSエリアマネージャーの言葉を聞いていたと思います。
私は今だからこそ、Ⓕ様が言うことはよく理解できます。
当時は「やってらんね~」と不貞腐れたものですが、ホームのトップとしてのどこまで対応できるのか、試されたのだな・・・と後年思うようになりました。
私のホーム長として試練は始まったばかりでした。
つづく・・・・次回もまだまだ大宮編
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