着任のご挨拶
2021年4月30日
この度、4月1日に管理者に着任しました加地です。
どうぞよろしくお願いいたします。
先日サービスの説明に伺ったご夫婦のお話を少ししたいと思います。
パーキンソン病を患っているご主人様と2人で暮らしておられました。
ご主人様は上半身の筋力が低下してしまい、座っていても上半身を支えていることができず、前や横に崩れてしまいます。
夜にトイレに行かれることもありますが、薬が切れてしまったり調子が悪くなると転倒をしてしまうこともあります。
床に倒れてしまったご主人を起き上がらせることは奥様一人ではとてもできない。
そんな時にヘルパーが駆けつけてもらえるようにと当事業所のサービスを選んでくださいました。
サービスの説明をしているとき、少し離れたベッドにお座りになっているご主人は
顔を上げるのも大変な様子ですし、体もどんどん右に倒れていってしまう。
こんなときはご家族様が説明を聞いておき、手続きを済ませてくださる、という流れも少なくないのですが、
「主人のことなので、主人に書類を見せてやって説明してくださいませんか。」
とベッドに座っているご主人の隣に座り、体を支えながら「大丈夫ですか。」「これで構いませんか。」と伺い、旦那様のペースに合わせて隣に座る奥様。
私もご主人様の前に行き書類を何とかみえるように持ち、説明しようとするのですが、そのお二人の姿に私は心を打たれ、目じりが熱くなってしまいました。
「とても素敵なご夫婦ですね」と口に出してしまったところ、
「私たちだって喧嘩もするのよ。それに夜もトイレに行くから放っておけないし、やることもたくさんあるから正直へとへとなの。この前だって玄関が上がれず、3時間もそのままで大変だったの。」
「でも、本人が一番つらいのよね。」
奥様も旦那様に対して何とかしてあげたい想いはあるのだけれど、心身共にお疲れでストレスが溜まってしまう。
ご主人様は奥様に申し訳ないという気持ちがあり、本当は2人でずっと過ごしたいにもかかわらず奥様へのお心遣いでショートステイを利用なさっている。
「本当は2人で温泉に行きたいのよね…」
そんなお気持ちを聞かせてくださいました。
いつまでもお二人で過ごしていただけるように、
お互いの想いを形にできるように、
もっとお二人の力になりたいと強く感じた瞬間でした。