高齢者向け住まい(老人ホーム等)の費用相場と内訳

2. 高齢者向け住まい(老人ホーム等)で必要となる費用の内訳

老人ホームや介護施設でかかる費用は、施設により大きく異なります。公的施設である特別養護老人ホームなどは、介護保険の制度上、居住費や食費などの負担額が定められています。一方、民間施設である有料老人ホームなどではそうした決まりがないため、立地や設備、サービスの充実度などにより、価格設定が大きく変わります。

老人ホームや介護施設を検討するときは、毎月の費用とその内訳をよく確認しましょう。

入居時に必要となる費用

まずは、入居時に必要となる費用をみていきます。

入居一時金

特別養護老人ホームなどの介護保険施設では、初期費用はかかりません。しかし、有料老人ホームなどでは、入居時に「入居一時金」「前払い金」を払う制度があるところもあります。これは、特に居住費などが高くなりがちな都市部において、入居時にまとまった費用を前払いしておくことでその後の月額費用が安くなり、経済的な見通しを立てやすくなるというメリットがあります。一方で、高額な初期費用がネックとなり入居しにくいといったデメリットもあります。

しかし近年は、初期費用のかからない料金体系を用意している有料老人ホームも増えています。たとえばSOMPOケアの運営する施設では、「入居一時金0円」というプランが用意されています。初期費用を抑えたい場合や、入居期間が短い可能性がある場合などはこのような施設を選ぶことも一つの方法でしょう。

この「入居一時金」「前払い金」は、名目としては「居住費などを前払いしておく」というものです。そのため、支払ったお金は契約書であらかじめ決められた期間、決められた割合で少しずつ居住費などの費用となります(償却)。そして、決められた期間よりも早く退去(解約)する場合は、償却されずに残っているお金は返還されることとなっています。償却方法は、初期償却があるかないか、その割合などによって異なります。また、いわゆる「クーリングオフ制度」も定められており、契約から90日以内に解約する場合は、入居期間中の居住費用(家賃、食費等)を除いた全額が返還されることとなっています。

こうした利用者を守るルールは、かつて有料老人ホームの一時金返還でトラブルが多かったことから整備されてきたものです。契約前によく理解しておきましょう。

敷金・礼金

多くの有料老人ホームでは、初期費用は「入居一時金」「前払い金」という名目になっています。一方、賃貸借契約をすることになるサービス付き高齢者向け住宅や一部のグループホームなどでは、「敷金」「礼金」という名目になっている施設もあります。

これは契約上の形態の違いですが、「敷金」の場合は入居中の担保として施設に預けるものであり、退去時に修繕費などを差し引いた金額が戻ってくる前提になっています。「礼金」は返ってこない部分と考えましょう。ただし、敷金が退去時にどの程度戻ってくるのかは、契約時によく確認する必要があります。

月額費用

次に、毎月必要となる費用をご説明します。

家賃

特別養護老人ホームなどの介護保険施設では、居室の形態により負担額が定められています。有料老人ホームなどでは、施設の立地や設備などによって金額が大きく異なります。

管理費

施設により内訳が異なりますが、光熱費や水道代、事務にかかる費用などがこの項目に含まれることがあります。

食費

特別養護老人ホームなどの介護保険施設では、所得に応じて1日あたりの負担額が定められています。有料老人ホームなどでは、各施設で食材費や人件費などを勘案して決められています。

生活用品購入費(おむつ代等)

おむつやティッシュペーパー、歯ブラシなどの日用品、お菓子などの嗜好品、本などの趣味用品にかかる費用です。なお、おむつを使用する場合、特別養護老人ホームなどの介護保険施設では施設側がおむつ代を負担しますが、民間施設である有料老人ホームなどでは利用者側が支払うことになります。